進撃の巨人と北欧神話

こんにちは。「アルベントカレンダー」12日目です。

みなさんは先日発売された進撃の巨人30巻、すでにお読みでしょうか。怒涛の伏線回収と展開で大きな話題になりました。まだの方はぜひ、進撃の巨人自体を読んだことのない方は1巻から通しで全部読みましょう。教養です。

以下、超絶にネタバレを含みます。

進撃の巨人と北欧神話

さて、進撃の巨人は北欧神話を元ネタにした設定が多くあることが知られており、北欧神話を参考にしていることは作者の諫山創先生も認めているところです。

北欧神話の本筋は神々と巨人の関わりを綴ったものです。とはいえ、北欧神話自体が複雑で、全部読むのはかなりハードです。ということで、ここでははじめの一歩として、代表的な元ネタとの関連をコマを使って書いていくという遊びをします。

(なお、記事内のすべてのコマは出版社様・著作者様からの許可をいただいた上、「アル」内で投稿されたものになります。詳しくはこちら)

北欧神話創世編

まずはざっくり北欧神話の世界の誕生について書いてみます。

世界の誕生
1. 原初の巨人ユミルが生まれる
2. ユミルから多くの巨人が生まれる
3. 神ブーリが生まれる
4. ブーリの孫にオーディン、ヴィリ、ヴェーが生まれる
5. 3神、ユミルを殺害
6. 3神、ユミルを解体して世界をつくる

なかなかぶっ飛んでますが、多くの神話の初期は大抵ぶっ飛んでいます。

ここは全く北欧神話そのままなのですが、進撃の巨人にも世界で初めて生まれた巨人の名として、ユミルという名前が出てきます。

世界創世は続きます。

7. 神々、人間を作る
8. 神々、ミッドガルド(人間の国)をつくる
9. 神々、巨人を遠方に追放
10. 神々、アスガルド(天上の国)をつくる

ここらへんまでが北欧神話の世界誕生編です。ちなみに、人間の国は、巨人の襲来を防ぐように柵で囲まれています。

進撃の巨人でも、主人公たちが住む区域は高い壁で巨人からの侵入を防いでいます。

ちなみに、北欧神話の場合は柵ですが、状況は似ていますね。ちなみに、この柵、原初の巨人ユミルのまつ毛でつくられています(悪趣味)。

進撃の巨人の場合は巨人が壁の中に入っていることが判明しており、作り方は違いますが、どちらも巨人が材料という点で似ていますね。

北欧神話終末編

世界ができた後、なんだかんだ神々と巨人のエピソードが展開されるのですが、大胆にはしょっていきなり終末の話をします。

北欧神話では神々と人間は最終的に巨人に滅ぼされます。しかも、このことを主神であるオーディーンは予言していて、あらかじめ神々はそれを知っています。これが北欧神話の特徴です。

滅ぶのがわかっていながら、やがてくる巨人との最終決戦、ラグナロクに向かって神々は戦いの準備を進めていきます。

進撃の巨人では、始祖の巨人の力を使うことで、壁の中の巨人を解放し「地鳴らし」という世界を崩壊させる一手があり、これが重要なキーになっています。巨人が世界を滅ぼしにくる、まさにラグナロク。

北欧神話ではラグナロクによって神々は敗れ、巨人もだいぶ倒されるのですが、最終的に炎の巨人スルトによって世界は燃やし尽くされます。

大型巨人が近づけないほどの熱風をだしたり、近づくだけで木が燃えるほどの高熱を放って前進してきたり、これもモチーフとなっているのかもしれません。

まとめ

そろそろ最終回が見えてきますが、進撃の巨人も北欧神話のように世界崩壊エンドになってしまうのでしょうか。少なくともミカサには生き残って欲しいところです。

(このコマの破壊力がヤバすぎて世界が崩壊してしまう)

進撃の巨人と北欧神話を重ねてみてみましたが、こういう考察ができる懐の深さみたいのも魅力の一つかもしれません。

ますます物語が加速していく、進撃の巨人のこれから先の展開に目が離せません。早く結末が知りたい!未来が見えたらいいですね。

おまけ

北欧神話の有名な神にトールがいます。最強の神と言われ、投げれば必ず敵に当たって手元に戻ってくるというチートすぎる武器、ミョルニルを使って戦います。これは戦闘用のハンマーで、日本語で書くと戦鎚です。

戦鎚の巨人。まんまじゃん。

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