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推しが名前を覚えてくれた日のこと② 2022/01/20

推しの思い出を残したくて、長くなってしまったが、ようやく本題。

推しに絶対に名前を覚えると宣言された日、その日を境に対応が明らかに変わった。

私は、少しワクワクした。
今まで特典会での対応に不満を感じたことは無かったけど、やはり嬉しいものだ。

数日後、私は1人で公演を見に行った。
いつもは仲良しのヲタ友と2人で行くことが多かったが、その日は友人の都合が悪かったから。

それまで推しは、公演で目線をくれたことなどほとんど無かった。
そもそもファンに目線を送るタイプではなかったから、それが普通だと思っていた。

ところがその日、公演中やけに目が合う、、気がする。
私はすこぶる視力が良かったし、私の両隣は空席だったから、気のせいでは無いと思う。

今までそんなことは無かったから、嬉しいというよりもどう反応したら良いのかわからず、目を逸らさないようにするのが精一杯だった。

ライブが終ると、特典会の会場へ移動する。

特典会の最後にはいつもフォトタイムがあって、ファンは持参したカメラやスマホで自由に写真を撮れるから、特典会の座席取りはいつも激しい競争になっていた。

ライブが終わる前に、座席取りのために退出するヲタクもいるくらいで、争いの原因にもなっていた。

私は他のヲタクと争うことが苦手だから、いつも特典会の席は後ろの方か、席を確保することが出来ずに部屋の壁際で立っていることもあった。

その日は一人だったし、後ろの方で目立たないように座ろうと思ったが席は既に無く、後ろの壁際のスペースを確保した。

私は一人でいることが苦になるタイプではない。
むしろ気楽だと思っていた。

ただショーボックスでは、1人で特典会に来る人は珍しかったから目立ちたくなかった。

特典会が始まると、まずはチェキを撮るために列に並ぶ。
私は列の後ろの方に1人で並んでいた。

自分の順番が近づいてきたとき、ふと推しを見ると、推しもまたこちらを見ていた。
他のメンバーがファンとチェキを撮っている横で、
こちらを見ながら言葉に出さずに口の動きだけで何かを言っていた。

同じ言葉を何度も繰り返しているようで、注意深く唇の動きを読むと、、、、ハ、、ル?

それは、私の名前だった。

絶対に名前を覚えるから。


確かに推しは数日前にそう言っていたけど、私は半信半疑だった。
まるでイタズラっ子のように、得意げに名前を覚えたとアピールする推しが、とても可愛かった。

どういう反応を返せば良かっただろうか。
私はただ、笑っていただけだった。

そして自分のチェキの順番になったが、私はいつもと同じようにツーショットでは無く、推しのソロショットのチェキを頼んだ。

推しは小声で私の名前を呼んだ。
「ハル」

そして不思議なポーズでチェキを撮った。
右手の人差し指をこめかみに当て、左手は右肘に添えて。


一体何のポーズだろう。
見当もつかなかった。

全員がチェキを撮り終えてサイン会が始まり、推しの列に並んだ。

私の順番が来て、推しの前へと進む。

私が話すのを遮って、推しはサラサラとチェキに私の名前を書いた。
得意げな様子で笑う。

「名前、本当に覚えてくれたんだね。ありがとう。」

そうお礼を言うと、

もちろん!

と嬉しそうに笑っていた。

そして私は気になっていた事を質問した。

「このチェキのポーズは何のポーズ?」

推しはフフっと笑って

これは名前覚えたよ、のポーズです

と答えた。
可笑しくて、可愛くて、私は崩れ落ちた。

子供みたい。

今までこんな風に話してくれたことは無かった。
いつも小さな声で定型文を話すだけだったから。

他の新大久保ドルヲタからしたら、こんなことで喜ぶなんてきっと笑うだろうな。
彼氏対応を求めている人の方が、大部分だと思う。


彼氏対応にはほど遠い、子供のような推し。
でも私には最高のファンサービスだ。
こんなにも特典会で笑ったことは無かった。

とても楽しくて、幸せな思い出の一日。

チェキは、思い出エピソードとセットになって、それを見ればいつも幸せな気持ちになる。


その『名前覚えたよ』のポーズはこちら。


この日が、名前を覚えてくれた記念日。


※何日か前にnoteに書いた、推しの思い出の曲の話は、この日から約ひと月半後のこと。
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