見出し画像

推しを卒業するまでのカウントダウン。2023/06/30

コロナ禍にアイドルを辞め、今は俳優を目指している推し。

つい最近、推しが出演したウェブドラマを見た。
友人からYouTubeのリンクが送られてきて、このドラマに出てるよと教えてくれた。
名前で検索していたら、偶然見つけたそうだ。

一瞬、心臓がドキっとした。

推しと同じグループのメンバーだったWも俳優を目指していて、彼はひと足先にYouTube配信の短編ドラマに出ていたのだが、それはいわゆるセクシーコンテンツの作品だった。

巨乳の女優とベッドでイチャコラするドラマは、ファンにはなかなか辛いものがある。

そのうち推しも、Wと同じようなエッチなドラマに出るようになるかもしれないと覚悟していた。

俳優を目指す元アイドルなど韓国には大勢いて、そこからオーディションを勝ち抜いて、テレビドラマの配役をもらうことは非常に難しい。
YouTubeのセクシーチャンネルは登録者の多い人気のコンテンツだから、そこに出演して名前を売るのも1つの方法だと思う。
そうは思うけどやはり、見るのは辛い、、

意を決してリンクをクリックした。

すると、予想に反してホラー映画のような雰囲気のオープニングが始まった。
ジャンルでいうと、サスペンスとかミステリーといった類のドラマだった。

推しはドラマの主要キャストで、狂気を秘めたストーカーのような役柄だった。

エッチなドラマではなかったことに、ほっと胸を撫で下ろした。

日本語字幕が付いていないから、詳しい内容はよくわからなかったけど、サイコパスな役柄は推しにぴったりで、キリキリと胃が痛くなるような心理戦はとても面白かった。

推しが真剣に俳優を目指して頑張っていることがわかって、嬉しい気持ちと寂しい気持ちが私の中に存在していた。

推しが、遠くに行ってしまった気がした。
もうアイドルに戻ることはないのだと。

動画にコメントを書き込もうかと思ったけれど、推しが自分でドラマに出たことを告知したわけではなかったからやめておいた。

推しは私のアカウントを知っているから、コメントを書けば気づくだろう。

再生回数がそれほど多くはなかったから、告知しなかったということは、知られたくないと思ってるのかもしれない。

それに、いつまでも昔のファンが執着することを、推しは嫌がるんじゃないかとも思った。
もう2度と会うことも無いというのに、私はいまだに推しに嫌われることが怖かった。

いつか、自分からドラマの宣伝をしてくれるようになるまで、心の中で応援しようと思う。
私に新しい推しが出来るのが先か、推しが俳優として芽が出るのが先か。

私は、アイドルの推しが好きだった。

悲しいけどそんな日か来るまで、もう少しだけ見守っていたい。

推しから卒業するカウントダウンが、静かに始まった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?