【エッセイ】海外ミステリー小説って薔薇。

「美しい花にはトゲがある」という言葉があります。
外見がどれだけ魅力的でも、内面に難があり近づこうとすると痛い目見る、的な意味です。たいてい、女性に対して使う言葉ですけども、自分は海外ミステリー小説にも使いたいです。厳密には翻訳本にですね。

自分はミステリー小説が好きです。というか、ミステリー小説しか読みません。ミステリー小説好きとして、名作古典は押さえておきたいと思うことがあります。エラリー・クイーン、アガサ・クリスティの作品を始め、ワクワクする作品がたくさんあります。時を超えて称賛されて、なんだったら国内小説内の登場人物にも称賛されています。そういうのは全部網羅しておきたい。オタク魂に火が付きます。けれど、実際には翻訳本は独特の読みにくさがあり、ワクワクしながら1ページ目を開いても、ページが全然進まないです。読みたい気持ちはパンパンでも、文字を読むことに本能が拒否反応を示します。

なぜかというと、作品の世界観をイメージしにくい!!

まず、第一に、文章が形式的すぎる。
国内小説は慣れ親しんだ表現が多いです。。脳みそを通さなくても感覚的に理解できます。対して、翻訳本は言葉選びが律儀すぎます。意訳しすぎて作者の意図から離れないための配慮なんでしょうけど、一つ一つが丁寧すぎる。例えば、“I want something to drink.”を“私は飲み物を欲しています。”と表現します。そこは、“何か飲みたい”でええやろ!みたいな。一回、こういうことかな?と脳内で考える工程が生まれるのがダルイです。

二つ目に、あるあるを共感できない。
ジョークが分からないのはもちろん、そもそも街並みや風景をイメージしづらい。これは海外というだけでなく時代の差もあるのでしょうけど。やたら暖炉が登場するんですよね。ハリーポッターしかイメージがつかん。あとは、宗教ですね。考え方や宗派の違いを盛り込まれても肌感覚で理解ができない。そういう設定と考えるしかない。

3つ目に、文字数が多い。
国内作品でも表現方法の一つとして、小さなしぐさを細かく書くことはあります。でも、言ってることはシンプル。“のどが渇いた”を“砂漠を旅するような枯渇を覚えた”みたいな。それに対して翻訳本もとい海外小説は情報量が多すぎる。畳みかけられても理解が追いつかず、何回も読み直すことになります。多分現地では当たり前のことが書かれているからなんでしょうけど。日本人としては全てが初めての出会いで理解に苦しみます。

こういうことが、翻訳本を読むには壁になります。
読みたくて読みたくて仕方ないのに、いざ読み始めると読むのに苦労する。海外ミステリー小説は薔薇です

さいごに
最近分かったことで、翻訳本も新しいのは読みやすいです。
2000年代に発売されている日暮雅通さん訳のシャーロック・ホームズシリーズは読みやすかったです。
海外ミステリーは面白いことは間違いないので、もっと苦手意識なく読めるようになりたいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?