畑にまなび気付く、神さまの世界

畑仕事

適度に肥やしがいるモノもあれば、最初の植え付けに水をやるだけでいいモノもある。

同じタネでも日の当たりかたや風向きで大きさも生えかたが違ってくる。

毎朝毎晩、大地の栄養と天気の恵みによって、成長していく様は勉強になります。


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畑は昨年から始めました。以前よりやりたかった事の一つで、それは何故かというと、教祖ご在世当時、「一に百姓たすけたい」と百姓さんに分かりやすいような例えを多く用いて、教えを説いてくださっているのです。その一端を少しでも感じたいという思いからでした。

いざやり始めると、やはり神さまの世界のなさる事に感動する事が増えてきました。その一部をご紹介します。

■土地のお与え

まずは土地が無ければできません。前回のnoteで、教会の土地の話に少し触れましたが、先祖先人のおかげで広い土地を与えて頂いております。そして昨年、先々代から話が出ては立ち消えしていた、教会に隣接していた畑の土地を、諸々タイミングよくお譲りいただくことになりました。

ここにも神さまの粋なお計らいがありましたが、今回は割愛します。

さて、その土地は半分は駐車場用地に、半分は畑のまま使わせてもらっています。にわか農家ゆえ、本当に試行錯誤の連続ですが、少しずつ作物を植えています。

作物を育てるのには種も肥も道具もいりますが、何よりも必要なのは、育つ土台になる土です。日当たりや水はけが良く柔らかい土です。肥も作物に直接やるのではなく、土にやります。水も同じことです。その整備がある程度できた土地を与えていただいた事が、もう普通ではないと思うのです。

■旬がある

これから成ってくるのは、夏野菜です。名前の通り夏に収穫します。水分をたっぷり含んだ、身体を冷やしてくれる野菜です。今は品種改良も進んでいるので、ちょっとずつ時期をずらす作物もありますが、一般的には収穫できる時期が決まっています。

そして、収穫時期を逆算して植え付けしなければ、その種の一番美味しい時期を逃してしまいます。逆算して肥やしや水をやらなければ、途中で枯れてしまいます。逆算して土を耕さなければ植えても根付きません。収穫の旬があれば、種まきや世話取りの旬もあります。

今まで旬といえば、成ってくる時期ばかりを見る事が多かったのですが、畑を始めてからは、成ってくる時期にちゃんと成るように、土台を準備する旬、種をまく旬、世話取りをする旬、収穫をする旬があることに、しみじみと気付きました。

旬もそうですがこの順番が1つでも前後すれば、成ってきません。当たり前のように思いますが、人間生活では順番を間違ってしまうことも多々あるなぁと思います。人間は成長する生き物です。いいタイミング!というのがあると思いますが、それまでに順序を間違えていて、成り立たない事もあるかもしれません。

■一つひとつ育て方が違う

今は、間もなく収穫のタマネギにジャガイモ、夏野菜のキュウリにトマトにナス、秋に収穫するサツマイモを植えています。みな根を張って成長し、花が咲いて、実をつけます。根に栄養があるのもあれば、外に実が出来るのもあります。分かりやすく違うのは、ナスとサツマイモです。

ナスは水が欠かせません。雨が降らない日は必ず朝夕に水をやらねばなりません。肥やしも定期的に追肥が必要です。花が咲きかけたら、実を大きくするために花より下の芽は摘んでやる方が成長します。花が咲いたら、花ごとにホルモンを一吹きしてあげなければ、うまく受粉せず枯れてしまいます。そこからようやく実が成っていくようです。

対してサツマイモはヒョロヒョロの苗を植え、水をやって土に馴染ませれば、あとは夏場頃に大きくなったツル返しをすればいい、それだけです。初めてやったばかりに植えて2日で枯れてしまいました。と思いきや、根が強いため、少しだけ土の周りを補強してやると3日目から太陽に向かって元気になり始め、驚きました。見た目には完全に枯れていたのに、根の力で大きくなったのです。

種によっても、植える場所や成長スピードによっても、育てるための世話取りは一つひとつ違います。毎日見てやらねば、変化に気付くのが遅くて枯れてしまいます。世話をし過ぎてもいけません。人もそういう所があるんじゃないでしょうか。みんな違ってみんないい。気持ちは同じ時でも、それぞれ本当は違う。お世話をするほうも、されるほうも、何も思っていなくとも、それぞれに成長があります。一つひとつ、一人ひとり違うということを意識することで、見えかたが変わったり、気を楽に見ることが出来ます。

■天然自然の世界

毎日見て世話をせねばダメ、と言えどもずっとベッタリしていても、成長が早くなるわけではありません。小さい規模なのでせいぜい朝夕30分、長い日でも2時間程です。それ以外の時間は天然自然の力に任せるしかありません。

土や天候は24時間ずーっと作物を育ててくれます。土から栄養を補給し、日の光や温度で自身の成長を促し、雨や風などを受けて強くなります。世話取りするのは人間かもしれませんが、毎日育つのは天地のおかげ、天然自然のおかげです。これを無くして育ちませんし、忘れてもいけません。作物は決して人間業だけでないのです。

人間の成長で、食事や身体を動かすことの身体的成長、人の話の見聞きやたすけあうことの精神的成長などは人間の努力であると思います。しかし食べ物を消化したり、筋肉や骨に栄養を届けたり、出会う人であったり、タイミングであったりは、自分の意識だけではどうにも出来ないことが沢山あります。むしろその方が多いですよね。

私はここが神さまの世界だと思うのです。眠っている間も起きている間も、身体は働きや休みを調整し、環境や天候も常々変わっていきます。そのお働きを活かすように、人間に出来る努力や心遣いをしていくことによって、それぞれ違いはあれども心身ともに健康になっていく成長があると思わせていただきます。

■おわりに

全部わざわざ人間に置き換えたというよりは、人間に置き換えて考えることが出来るのに気付いた、という所でしょうか。

育ち育てるには、土台が大切。

旬に応じて、土を耕し、種をまき、肥やしをやる。

その順序も間違えては成長しない。

一つひとつ、一人ひとりは似て非なる違うもの。

そのタイミングの見極めも大切。

天然自然の働きを活かす、人間の努力がいい成長につながる。

にわか農家でも、こんなにまなび気付きがあります。そしてそれが次への活力になります。

大いなる大地に作物が育まれるように、私も育まれるように努力したいと思います。

写真は枯れかけたサツマイモと、今朝は咲いていなかった夕方のキュウリの花です。

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