大月書店通信*第146号(2021/3/31)
例年ならフレッシュな空気が漂う春ですが、今年は複雑な思いがよぎります。
新生活に臨む若い方たちも、さまざまな不安を抱えているのでは。そうした不安に寄り添って支援を約束することこそ、国の仕事のはずなのですが……。
コロナ後の社会を考える上でもキーワードになる「持続可能性」。そのシンボルとしてSDGs(持続可能な開発目標)のロゴをさまざまな場所で目にします。企業の広告などでも、SDGsへの貢献のアピールがさかんです。
でも、中には「それが本当に持続可能な社会につながるの?」と思ってしまうような使われ方もしばしば。他方では、「SDGsは大衆のアヘン」だとする本もベストセラーに。
果たしてどちらを信じればいいのでしょうか?
そんな「モヤモヤ」を直視し、本当の持続可能性につながる道を考えるために、環境・エネルギー問題を長く取材してきたノンフィクションライターの高橋真樹さんが『日本のSDGs――それってほんとにサステナブル?』をまとめました。
日本の現状と各地の取り組み例を通じて、一人ひとりがSDGsとの向き合い方を考える手がかりになれば幸いです。
「はじめに」をこちらで公開しています。
【新刊案内】『日本のSDGs』ほか3月の新刊
3月の新刊です。お近くの書店にてお求めください。
……………………………………………………………………………………………
●「ロゴだけSDGs」になってませんか?
『日本のSDGs――それってほんとにサステナブル?』
高橋真樹[著] 1,600円(税別)
官民挙げて推進されるSDGs。でも中には疑問符がつく例も…? 本当に持続可能な社会をつくるには、「ロゴだけ」ではない本質を見極める目が市民にも必要。各分野の日本の現状と取り組み例を紹介しながら問題提起する。
☆試し読みできます
☆著者が登壇するトーク企画があります。【イベント】欄をご覧ください。
……………………………………………………………………………………………
●《シリーズ完結》体験学習や博物館で文化を学び文様を作ろう
『日本の伝統文様をさがそう 4 体験学習で出会える文様』
熊谷博人[文・絵] 3,000円(税別)
家族や学校で参加する体験学習やさまざまな博物館で、文様が作られた時代の暮らしぶりや文化を学びながら、自分でも折り紙や落ち葉、ふたなどで文様を作ってみましょう。語呂合わせ、留守文様といった洒落心満載の文様も紹介。
……………………………………………………………………………………………
●《シリーズ完結》戦争になってもしてはいけないルールがある
『人権と自然をまもる法ときまり 4 平和と安全をまもるきまり』
笹本 潤[法律監修] 藤田千枝[編] 菅原由美子[著] 2,200円(税別)
たとえ戦争が起きても、民間人や捕虜など、兵士以外を攻撃してはいけない国際条約がある。働く人をまもる法律、自転車事故を防ぐ法律、災害時のルール、性的少数者の人権をまもる法など、私たちの安全を保障している法律を解説。
……………………………………………………………………………………………
●特集=ともに学校をつくる 「せんせい」になったあなたへ 2021
『月刊 クレスコ』4月号 no.241 500円(税別)
この春から教職員として働く方たちに贈る、毎年恒例・好評の特集。先輩たちが体験談・失敗談を交えて、子ども観、授業づくり、保護者・地域との関係づくりなどをアドバイスします。教職員の権利についての基礎知識も収録。
【お知らせ】『ファシズムの教室』NHK BSプレミアムで紹介 ほか
……………………………………………………………………………………………
★ 『ファシズムの教室』NHK BSプレミアムで紹介 ★
……………………………………………………………………………………………
『ファシズムの教室――なぜ集団は暴走するのか』の著者・田野大輔さんが、4月1日 (木)21時から放送のNHK BSプレミアム「ダークサイドミステリー」に出演されます。
『ファシズムの教室』にまとめられた「ナチス体験授業」も、CG再現で紹介されるようです。番組も本も、ぜひご覧ください。
……………………………………………………………………………………………
★ 『これからの男の子たちへ』太田啓子さん×後藤正文さん対談 ★
……………………………………………………………………………………………
前号で予告したとおり、太田啓子さん(『これからの男の子たちへ』著者、弁護士)と後藤正文さん(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の対談がJ-WAVEラジオで実現しました。
以下のサイトで録音をお聴きいただけます。
【イベント】SDGsにモヤモヤしているあなたへ。トーク企画2つ
新刊『日本のSDGs――それってほんとにサステナブル?』の関連企画です。
……………………………………………………………………………………………
1. 日本のSDGs・それってほんとにサステナブル?~実践例を踏まえて~
……………………………………………………………………………………………
著者の高橋真樹さんと、本書に登場し印刷も手がけた大川印刷の社長・大川哲郎さんが登壇し、本当のサステナブルとは何かに迫ります。
知っているようで意外と知られていないSDGsの本質や、大川印刷が取り組んできた数々の実践例を通して、私たち一人ひとりにできることを考えます。
日時:4月15日(木)18時30分~20時00分
定員:会場20名/オンライン100名
会場:MOTTAINAI STATION(毎日新聞東京本社1階)
主催:毎日メディアカフェ
☆会場参加申し込みはこちら
☆オンライン参加申し込みはこちら
※お問い合わせは主催者にお願いいたします。
……………………………………………………………………………………………
2. 【世界を学ぼう】日本のSDGs・なんだかモヤモヤしませんか?
……………………………………………………………………………………………
NGO「ピースボート」の主催で、本当の持続可能性につながるSDGsのあり方を高橋真樹さんと一緒に考えるイベントです。
日時:4月22日(木)19時00分~20時15分
オンラインのみ
参加費:無料
定員:95名(先着順)
☆お申し込み・詳細はこちら
主催:ピースボート
※お問い合わせは主催者にお願いいたします。
【編集後記】
遅ればせながら、昨年末に電子書籍リーダーを購入し、初めて読んでみました。
想像していたよりは抵抗感なく読め、何よりかさばらず通勤で持ち歩くには便利。が、いま全体のどのあたりまで読んでいるのかがつかめない(もちろんページの表示はあるけれど)。そしてやはり紙の質感を感じたい。結果、書店で同じ本を見つけ、カバーと本文の紙に触れ、重さを感じてやっと読み終わった気分になりました。
最大の目的であった「旅行の時に読みたい本を読む」が、そもそも旅行がなく実現しないまま。オーナーであってもユーザーにはまだ遠いようです。(I)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?