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【大月書店通信】第147号(2021/4/28)

「大月書店通信」第147号をお届けいたします。

5月1日はメーデー、5月3日は憲法記念日。働く者の連帯がなぜ必要か、一人ひとりの人権がいかに大切か、今ほど明白に実感できる時もなかなか無いかもしれません。しかし残念ながらコロナ禍のため、集会やパレードを大々的におこなえず、オンライン開催が中心になるようです。

憲法といえば思い出されるのが、2019年に亡くなった医師の中村哲さん。アフガニスタンでの医療活動や灌漑事業は、武力によらずに平和をつくる日本国憲法の理念を体現するものだったと思います。その実践は今も多くの人たちに、様々な形で影響を与えています。

4月新刊『10代からのSDGs』の監修者、堤敦朗さんもその一人。高校時代に読んだ中村さんの著書をきっかけに、国際協力の道に進み、国連で働くことになったといいます。本書でも、「誰ひとり取り残さない」というSDGsの理念を読者に伝えるため、中村哲さんの紹介に多くの紙幅を割いています。

学校でも社会でも、SDGsという言葉が氾濫している昨今ですが、表層的な動きに振り回されず、その本質をみんなで理解し生かしていくために、先人たちの姿を若い世代に伝えていくことも、私たち大人の役割なのかもしれません。

☆小社は4月29日から5月5日まで休業いたします。

【新刊案内】『10代からのSDGs』ほか4月の新刊

4月の新刊です。お近くの書店にてお求めください。

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●人にやさしい未来のために、できることとは?
10代からのSDGs――いま、わたしたちにできること
井筒節・堤敦朗[監修] 原佐知子[著] 1,600円(税別)

環境、格差問題と関連して語られることの多いSDGs。しかしその本質は、「人にやさしい未来」を目標としたシンプルなものだ。その目標を達成すべく活動している事例を紹介し、ひとりひとりがいまできることを提案する。

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●防災やSDGsの実現に主体的に関わる力を育む
地域と世界をつなぐ「地理総合」の授業
大野新・竹内裕一[編] 3,000円(税別)

学習指導要領の改訂をうけて、地理情報システム(GIS)などの地理的技法を身につけ、身近な地域から地球環境はじめグローバル化した問題について、主体的な問題解決力や発信力を育む授業を提案。すぐに使えるヒントが満載。

☆ 関連書 ☆

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●特集=コロナ不況から、地域をどう再生するか
季刊 自治と分権春号 no. 83 1,000円(税別)

●首長インタビュー(日野康志・大分県九重町長)●コロナ不況からの地域経
済再生――ローカル循環力を高めるために(吉田敬一・駒澤大学名誉教授)●コロナ後、食と農にも地方自治が必要だ(谷口吉光・秋田県立大学教授)ほか

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●特集=もう、変えよう「オトコ」目線のメディア
放送レポート5月号 no. 290 500円(税別)

【シンポジウム】もう、変えよう「オトコ」目線のメディア●受け手の「違和感」(谷岡理香、田中洋美、松元千枝、海野千尋、砂川浩慶)●送り手の「背景」(南彰、酒井かおり、黒田華、籏智広太、森崎めぐみ、吉永磨美)ほか

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●特集=学校の「きまり」は誰のもの?
月刊 クレスコ5月号 no.242 500円(税別)

不合理な校則や、何でも一律にする「スタンダード」など、個性や逸脱を認めない空気が学校に広がっている。子どもの立場と憲法の視点から「学校のきまり」を問い直し、子どもたちの意見表明にもとづく学校づくりを紹介する。

【話題の本】『ファシズムの教室』5刷1万部突破 ほか

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★ 『ファシズムの教室』5刷1万部突破 ★
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昨年4月に刊行した『ファシズムの教室――なぜ集団は暴走するのか』(田野大輔 著)が、ちょうど1年で1万部を突破しました。

NHK-BS「ダークサイドミステリー」で紹介されるなど、最近も話題になって売れつづけています。

まだお読みでない方は、ぜひお手に取ってください。

試し読みできます

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★ 『茶色の朝』書店員さんの推薦動画 ★
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書店の有隣堂さんの111周年企画として、111人がリレー形式で本を紹介する動画が配信中。そのNo.56で、横浜駅西口店の古田森さんが、小社の『茶色の朝』をご紹介くださっています。

「フランスでベストセラーになった寓話。茶色いものだけが認められる世界とは? 考えさせられる一冊です」(有隣堂twitterより)

ぜひご視聴・ご拡散ください。

【編集後記】

日本のSDGs――それってほんとにサステナブル?』著者の高橋真樹さんのお住まいに伺ってきました。環境先進国ドイツ仕様のエコハウスで、徹底した断熱と季節に応じた採光・遮光により、最小限の冷暖房で快適に暮らせるそうです。大規模なリフォームや新築でなくても窓の二重化など小さなところから始められると伺い、がぜん我が家もやってみたくなりました。省エネやCO2削減のために我慢するのではなく、より生活が快適になるなら、無精者にもできそうな気がします。(鰯)

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