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【大月書店通信】第157号(2022/2/28)

2月24日に報じられた、ロシアのプーチン政権がウクライナに対して軍事侵攻したとのニュース。あまりにもあからさまに、あっけなく侵略戦争が開始されたことに愕然としました。

戦後の国際社会が共有してきた「侵略戦争は許されない」という規範は効力を失ってしまったのでしょうか。作家・半藤一利さんが絵本『焼けあとのちかい』(塚本やすし・絵)で遺された「戦争だけは絶対にはじめてはいけない」とのメッセージが、重たく響いてきました。

しかし一方で、この事態に対して協調して、ロシアをSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除する厳しい制裁措置がとられ、ロシア国内も含めて、世界中から戦争反対の声があがっていることもまた事実です。国際世論と、対話と交渉による外交が、侵略戦争をやめさせる力になる。その希望を手放したくはありません。

ささやかであっても、決してあきらめずに声をあげつづけていきましょう。

子どもたちにはそういうおとなの背中を見せたいものです。

#戦争反対
#NoWar
#нетвойне
#Противійни

【新刊案内】

2月の新刊です。お近くの書店にてお求めください。

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●自分を見つめ目指したい自分の姿を考えよう
人間と性の絵本1 わたしってどんな人?
浅井春夫[文] 柿崎えま[絵] 2,750円(税込)

名前、性別、家族、友だち、性格、好き嫌い、得意苦手、大切なこと、嫌なこと、好きな人……。「わたし」を形づくっている要素はたくさんあります。様々な角度から自分を見つめて、どんな「わたし」になりたいのかを考えます。

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●自分の人生を選ぶために様々な人生を知ろう
人間と性の絵本5 考えよう! 人間の一生と性
艮香織[文] 柿崎えま[絵] 2,750円(税込)

人間が生まれてから死ぬまでの一生に「性」は関わり続けます。誕生、家族、学ぶ、働く、結婚や離婚、子育て、年を重ねる、死。人生のその時々で自分が最も良いと思うことを選択するために、様々な人生があることを学びます。

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●日本で唯一の手話&日本語講座の教室から
ろう者と聴者の懸け橋に――「手話通訳士」兼「日本語教師」の挑戦
鈴木隆子[著] 1,980円(税込)

言語学習の体系的メソッドによって聴者には手話を教え、ろう者には手話で日本語文法を指導する、その教授法を公開。ろう者への差別や偏見、手話の世界の問題点にも言及。ろう者と聴者が互いを尊重しあえる社会をつくるために。

試し読みできます

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●特集=ネット時代のメディアとは
放送レポート3月号 no. 295 550円(税込)

●インタビュー・境治さん:メディアのグランドデザインを考えよう●講演・亀松太郎さん:ネット時代のメディアとは●コミュニティ・メディアとクラウドファンディング(小川明子)●CHOOSE LIFE PROJECTの蹉跌(南彰) ほか

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●特集=3.11に、向き合いつづける
月刊 クレスコ3月号 no.252 550円(税込)

東日本大震災から11年。震災で傷ついた子どもたちに寄り添ってきた大人たち・教職員たちもまた、深い悲しみを背負ってきた。子どもたちが豊かに成長していくために、コロナ禍を経た今後の復興のあり方を問い直す特集。

【イベント】

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★ 韓国ドラマはなぜ私たちに「刺さる」のか? 推しドラマを語る夜 ★
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前号でもご案内した、『大人もハマる!韓国ドラマ 推しの50本』(渥美志保 著)の刊行記念トークイベント。渥美志保さんと深沢潮さんのトークです。

語り合ってほしい韓ドラも募集します! 「#大人もハマる韓国ドラマ」でツイートしてください。

【お知らせ】

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★ 「無国籍」問題の絵本をつくるクラウドファンディング ★
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「無国籍」という問題をご存じですか? 学生たちによる、無国籍問題の解決をめざすプロジェクトの一環として、絵本づくりに小社も協力しています。

ぜひクラウドファンディングでご支援ください!

【話題の本】

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★ 『差別はたいてい悪意のない人がする』著者インタビュー ★
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昨年8月刊『差別はたいてい悪意のない人がする――見えない排除に気づくための10章』の著者、キム・ジへさんのインタビューが掲載されています。

【編集後記】

ロシアのウクライナ侵攻に伴って、台湾有事の危険が高まる、日本もそれに備えよ、という安倍元総理の発言が報道されています。しかし、朝日新聞・台湾支局長の石田記者によれば、当の台湾の受けとめは、中国の侵攻に対する危機感が拡大しているというよりも、「中国の情報戦への警戒が強まっている」のだそうです。

ウクライナの人々が置かれた状況をよそ事と見ない。そして同時に、誤情報や危機を煽るような言説に惑わされない冷静さをもつ。この事態に、日本にいて市民ができることは限られていますが、世界に広がる(ロシア国内でも!)反戦の声に、一人でも多くが連なることを願います。(M.K)

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