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#鈴木大裕
先生が先生になれない世の中で(5)コロナ危機と教育――今こそ少人数学級の実現を
鈴木大裕(教育研究者・土佐町議会議員)
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、教育界にずっとくすぶっていた少人数学級の実現を求める声が高まっている。
7月、すでに声を上げてきた教員や教職員組合に、教育学者らによる署名運動が合流した。そこには、大御所を含めて数多くの教育学者が呼びかけ人として名を連ね、議員の肩書をもつ僕や、元文部科学省事務次官の前川喜平さんも加わった。
(注)この署名には、写真に
先生が先生になれない世の中で(2)「お客様を教育しなければならない」というジレンマ
鈴木大裕(教育研究者)
「教員はサービス業だから。」
18年前、当時教育実習生だった僕に、ある教員が誇らしくそう語った。
チャイムの2分前には教室の外で待機し、チャイムと同時に入室。カバーすべき単元を無駄なく授業し、チャイムと同時に授業を終え、生徒と会話をする間もなく教室を後にする。
授業を提供することに徹するその姿は、まるで塾講師のようで、確かにきちんとしているように見えた。でも、せっかく早く
先生が先生になれない世の中で(1)全米を揺るがしたウェストバージニア州の「違法」教員スト
鈴木大裕(教育研究者・土佐町議会議員)
アメリカの教職員が怒っている。アメリカ合衆国労働統計局のデータによれば、2018年だけで約50万人の労働者がストなどで仕事を休み、そのうちの約40万人は教員だった。教員の給料は安く、59%の教員が生活のためにパートを掛け持ち、50万人以上の教員が社会保障を受けていない*1ことからも、アメリカにおける教員の「使い捨て労働者」化がうかがえる。2018年、教員へ