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小説家でいっぱい

東京オリンピックが開催される予定だった年を境に、世界中で小説がバズり始める。
気軽に小説が投稿できるサービスが多くなり、誰もが小説家を目指した。
というよりかは、誰もが小説家になった。
ほとんど全ての人が気軽に小説を投稿し、そして気軽に本を作り、売っていた。
毎日、誰かが必ず小説を書いていた。
新しい小説が書かれない日がないという状態になると、供給が圧迫し需要が滞る事が懸念されたが、そうはならなかった。
日本語の小説がSNSを通過すると、誰かが母国語に翻訳してSNSに再投稿する。
他の言語でも、誰かの小説を誰かが翻訳してSNSのTLに流し込む。
自動機械翻訳が重宝されたのも、同時翻訳サービスが性能を上げてきた、この時期からだ。
日本語は珍しがられ、面白がられ、脳トレとして利用する人が増えた。
人々は誰かの日常を読むように、毎日数文字のショートショートや連載小説を読み漁った。
小説は、副業や人生の嗜みになっていた。

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