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オオトパンの持続可能なパン屋づくり⑤田舎ローカルの口コミ力

本来の「口コミ力」とインターネット上での「口コミ力」の微妙な違い

食べログやグーグル上での口コミを見て、お店を訪れる人は多いだろう。
私も初めて行く店はSNSやグーグルなどで先に情報をチェックすることが多い。
ただ、それと同時にそこに書かれている評価について100%信頼しているかというとそうではない。

本来、限られたコミュニティ内での噂でしかなかった口コミを可視化したという点では食べログなどのサイトは画期的だと思う。しかし「美味しい」という感覚や「コスパが良い」などの感覚はあくまで個人的な物差しでしか計れないし、今や"口コミを買える"時代な訳だから、余計に信頼度が低いことは言うまでもない。

口コミはコミュニティーの濃度によって熱量が違う

実際お店をやってみて面白いなと思うのは、口コミにはどうやら濃度があるらしい、ということ。信頼度と言い換えることもできるかもしれない。
自分と同じ感覚を持った人や友人から「美味しいよ。」と聞いたり、友人からもらって食べたら美味しかったらという口コミは濃度が濃い。その口コミにより来店してくれたお客さんは、すでにお店への信頼が高い状態で来店してくださるので、新たな常連客になってくれる可能性が高い。

一方、たまたま検索してネット上で口コミをチェックして来てみたというお客さんは、口コミ濃度や信頼度は薄い方であると思う。
ただ、口コミ濃度が低いことは悪いことでなく、来店のきっかけの一つとしては今の時代なくてはならないものであると思うので全く否定しないけれど、薄い口コミを書くことを目的に来店したりする人種もいるので、インターネット上での口コミとの付き合い方はまだまだ研究しないとな、と思っている。(ネガティブな口コミへの返信力とか!)

田舎は濃度の濃い口コミが強い?!

私がお店を出している場所は山梨県甲州市。人口3000万人くらいの農村地帯。決して人口は多い地域ではない。
あくまでお店をやっていての肌感覚でしかないのだけれど、人口が少ない反面、来店目的は「人が集まるからお茶菓子に。」「手土産に」という理由が多いように感じる。

子育て世代は3世代同居や近くに祖父母がいるパターンが多い。親戚も近くに住んでいるケースも多い。
人口総数は少ないけれど、コミュニティーの濃度は都会よりも濃い。(それが嫌で都会に出て行く人が多いのかもしれないけれど!)

そんな地域では、インターネット上の口コミよりも、田舎のコミュニティーの口コミの力が大きいように感じている。

近所のおばあちゃんが、「孫から頼まれて。」とINSTAGRAMのフォローをしてくれている大学生のお孫さんからの指令(笑)でご予約来店してくださるケース。
お母さんが少年野球の差し入れにとドーナツをごっそり買ってくださるケース。

お店のパンやドーナツを通していろんなやり取りがあるのだろうなぁ、と想像するとこちらも心が温まる。

奥が深い、口コミの世界。ローカルの口コミ力。続く。

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