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「読んでもらうための文章を書く」ということ

毎日Xに投稿して、note書いて、出版までさせていただきながら、こんなことを言うのはちょっと変に思われるかもしれませんが、私は「人に読んでもらうための文章を書くのが苦手」です。

文章を書くのは大好きです。自分の感情や思った事、メモの類いは整理がつかないほど書いてます。Xやnoteの下書き欄は書き散らしでパンパンになってます。ちなみに書き散らしは「これは世に出せないな」「誰かにみてもらうまでもないな」と思ったことを消さずに取っておき、後で見返して別の記事のヒントとして使っております。

また、苦手なりにも何度も推敲してなるべく読みやすい文章にしようと努力しています。この文章も、何度も読み返し、修正加筆を繰り返してます。ただ、推敲にも限界があります。私と読者は全く異なる知識や経験、思考を持っているため、人によっては「おとうふの文章は読みにくい」「稚拙だ」と感じることもあるかもしれません。自分の文章を読まれるということは、他者からなにがしかの「感想」を持たれる(感想を持つに至らないということも含め)ため、どのような感想を持たれても構わないという覚悟を持って世に放っております。

推敲していると、時々いやになることもあります。
3回4回と同じ文章を読んでいても、言い回しは無限に出てくるし、修正して修正して最初の文章に戻ったりしてると「推敲しなくてもよかったのでは」と軽く落ち込んだりします。

「人に読んでもらうための文章を書くのが苦手」と言いながら、なぜ文章を書いて色んな人に見てもらっているのか。もちろん伝えたいことがあるから書いております。出版などはまさに自分の文章がお金になるため、お金のためというのは無視できません。自分の承認欲求を満たすためということでもあるかもしれません。

もしかしたらこのnoteを読んで下さっている方の中には「何かを書いて世に訴えかけたい!」けど私のように「人に読んでもらう文章を書くのが苦手」という方もいらっしゃるのではと思いますので「人に読んでもらうための文章を書く際の心構え」を一つお伝えしようと思います。

これは、私がマンション管理会社でフロントマンを勤めていた時の話です。

フロントマン時代は管理組合の「議案書」や「議事録」の文案等をたくさん書きます。違反ゴミや騒音の注意文もマンション毎に文面を変えたり試行錯誤して作成しました。これは仕事ですので、下手でも書いて、人に読んでもらう必要がある文章です。
文書を管理組合に提出する前に上司に確認してもらうのですが、まあ赤字でたくさん修正されました。「てにをは」から文章の順番、言い回し等をたくさん注意していただきました。

当時、私には上司とは別に、もう一人「師匠」がおりました。
位置づけとしては直属の上司ではあるのですが、この人は私という人間を形作ってくれた大恩人ですので心の中で「師匠」と呼んでおりました。
師匠は、私の文章をほとんど修正してくれませんでした。そのため、文章の修正は他の上司の方にやっていただいておりました。

文章の修正をしてもらえなかったことについて理由を尋ねたところ、
「読んで不明点があれば問い合わせしてくるから直す必要ないよ。問い合わせがないなら伝わっているから心配するな」
ということでした。一理あるなとは思ったのですが、上司に文章を確認してもらうのは社内ルールでしたので上司の確認をすっ飛ばすことはできません。ただ他の上司もチェックを面倒臭がっているように見受けられたため、私としては師匠にチェックをお願いしたいと懇願しました。

あるとき、いつものように上司に文章をチェックしてもらったところ、師匠が「それを貸せ」と別の上司のところ持っていき、チェックさせたことがありました。そうしたところ、私が最初に提出した文章と同じくらい赤字で修正されて戻ってきました

師匠はそれを見て「どう?わかった?」とニヤニヤしながら言ってきました。
イマイチピンと来ていなかった私に師匠は「文章に良し悪しはないよ。あるのは好みだけ」と言いました。

……今になって考えれば良し悪しがないなんてことは無いんです。読みやすさ、わかりやすさ、簡潔さ等良い文章と呼ばれるものは確実に存在するので師匠の言葉は極論と言わざるを得ません。ただ、当時の私は毎度毎度赤字でこってり修正される議事録を見て自分の書く文章に自信を失っていたので、この言葉に非常に勇気づけられました。もしかしたら、そんな私を見かねて師匠がかけてくれた言葉かもしれません。

もし、私と同様に「人に読んでもらう文章が苦手」という方のご参考になれば幸いです。

追伸)
この文章をChatGPTに読んでもらったところ「あなたの文章は基本的に読みやすく、理解しやすい内容でしたが、いくつか微調整や提案がありますね」とのことでした。
細かな部分は、まあ、好みですから修正しないでおきます。

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