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商業的な人間-2022/7/13

夢を見た。

夢の中の俺は10歳の小学生に戻っている。
夢の中の俺はイオンの通路にいる。

右手側にはケータイショップ、左手側にはカルディ。
後ろを振り返れば銀だこから始まるフードコート。

「…お母さん、どこ?」

周りを見渡しても、客はおろか店員の1人もいない。
軽快なBGMが流れ、照明は不自然なくらいに明るいのに
人の気配はどこにもなかった。

誰も居ないイオンを歩く。
1階には誰も居なかった。
2階にも誰も居なかった。
俺は心細い気持ちでエスカレーターを上っていく。

3階に着いたとき、ふと、吹き抜けから下を眺めると、
さっきまで自分がいたはずの2階は真っ暗だった。
吹き抜けは大きな空洞になっていて、底は見えない。

それに気づいたが最後、俺の足元は崩れ始める。
足が滑り、俺は落ちていく。
イオンの空洞に飲み込まれる。

「助けて!助けて!」

そこで目が覚めた。
全部夢だったんだ、きっと。