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まずはやってみること

わたしは今、暮らしの道具を扱う雑貨屋さんで働いている。

最近、顔馴染みのお客さまができた。
彼女はわたしのお母さんくらいの年齢の女性で、わたしと同い年の娘さんがいるらしい。

「この前、まずは使ってみてください、使ってみると自分に合う使い方が分かってきますよって言ってくれたでしょう?
あの言葉が妙に残っていて、その通りだなって思うの。最初から決めるんじゃなくて、まずはやってみようって、考えるようにしたのよ。
あのクロス、本当によかった!」

それは先日マルチクロスをおすすめした時のことだった。
自分が愛用しているクロスで、台所のシンクやコンロ周り、洗面台などどこのお掃除にも使えるクロス。

わたしは自分の使い方を例にとっておすすめしたのだが、生活は人それぞれ、お客さまにはお客さまがしっくりくる使い方があると思いますよ、という風にご案内したことだった。

わたしは彼女のその言葉を聞いて、ハッとした。
生活をする中で、クロスの使い方では実践できていたのに、自分の人生のもっと真ん中のところでは実践できていなかった!

まずはやってみること、やってみないと何が合うかわからない。

そういえばかれこれ1年前くらいから「文章を書く仕事がしたい」という風に人に話すことがあったのに、自分は全く取り組めていないではないか。

会社が好き!仲間が好き!商品が好き!
そんなポジティブでしかない気持ちに動かされて、いい部分だけを見て日々を過ごしてきた。

ここにいれば自分の将来は切り開かれていくのではないか、誰かが導いてくれるのではないか、と思っていた。

でもそれはきっと違う。
自分から掴みに行かなければ。

わたしは早速クラウドソーシングのサービスに登録し、文章を書く仕事に応募してみた。
そして、初めて文章を書いてお金をいただいた。

わたしはこれがやってみたかったんだ、という実感がある。
今はまだ知識も経験もなく真っ白い地図のど真ん中で迷子だ。

でもこれからどんなことを知ってどんなことを積み重ねてどこに行くのだろう?と考えたら、何だかとてもワクワクしてくる。
こうして言葉にして書くことでもっと、もっとワクワクが増してくる。

まずはやってみること。

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