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詩『君の色』

君の毛の色のほとんどは明るい茶色。
お腹はもっと明るい、クリーム色。
そのもっと奥にある皮膚は、淡い桃色。
鼻は黒、時々濡れて光っているね。
目の周りの毛は最近白くなってきた。
君の睫毛も白く見える。

頭の毛が一番ピカピカ光ってる、君は知らないでしょう?
君の頭に顔をうずめると、おひさまの匂いがするんだよ。
おひさまの匂いなんて知らないけれど、あれはきっとおひさまの匂いなの。

四角く刈り取られた毛。
君は四角いって認識しているの?
スースーするでしょう。

ふと下を見たら、スカートに一本の毛がついてたの。
茶色い3センチ、君のでしょう?
そっと手帳に挟んでね、家についたら花柄のマスキングテープで貼りつけたんだよ。

君が目を閉じ切らないで眠ること、私は知ってるよ。
眼の下の方を覆う膜は焦茶色。

ブラシで背中を撫で付ける度に集まるのは
ピーナッツ色のモシャモシャ。

あたたかい君の体温、抱き寄せる冬。
夏は一緒にバテて床に張り付いてる。
春は安心して膝の上で眠ってくれる。
君が落ち葉の色に紛れてしまうのは秋。

瞼の裏に焼き付けたいよ君の色、たくさんの色。


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