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3月16日、"WORKS UNVEILED"、ヴェールを脱いだ、アレンジャー、ショスタコーヴィチ、学生、ショスタコーヴィチ...

フランスのピアニスト、ニコラ・スタヴィが、ショスタコーヴィチの室内楽版、14番の交響曲、「死者の歌」、などなど、知られざる作品、版を掘り起こす、"WORKS UNVEILED"。
BIS/BISSA2550

ショスタコーヴィチの交響曲の中でも、特に癖強めな14番(規模の小さいオーケストラの伴奏でとソプラノとバスが歌う、まるでカンタータのような... )を、作曲者自身のアレンジで、ソプラノとバスがピアノとパーカッションの伴奏で歌う版(となると、もう完全に連作歌曲集?)と... ショスタコーヴィチが影響を受けた作曲家、マーラーの、未完の交響曲、10番の断片を、2台のピアノ用にアレンジしたもの... さらに、ショスタコーヴィチの未完のヴァイオリン・ソナタ、学生時代のピアノ作品、革命の犠牲者追悼の葬送行進曲、郷愁、森の歌、バガテルを取り上げる、"WORKS UNVEILED"。

いや、おもしろいです!で、まず耳を捉えるのが、14番の交響曲... ピアノとパーカッションのスパイシーなサウンド!完全に交響曲感は失われているものの、癖強めの作品の癖、明確になって、間違いなく刺激的!そして、2台のピアノで弾かれるマーラーの10番の断片の、得も言えぬリリカルさ!分厚いオーケストラ・サウンドから、マーラーの清流をすくい上げるようで、アレンジャー、ショスタコーヴィチの腕に感心。一方、学生時代のピアノ作品では、伝統的なロシアがドヤ顔で響き出し、微笑ましい!ショスタコーヴィチにも、こういう時期があったのだと、なかなかに新鮮。

そんな、"WORKS UNVEILED"を聴かせてくれた、スタヴィ(ピアノ)!幾分、硬めのタッチで、より明確にショスタコーヴィチの音楽を切り出してくる感覚、歯応えがあって、おもしろく、何より、ヴェールを脱いだ音楽の魅力、しっかりと強調!で、ジョデレのパーカッションが絶妙にスパイスを効かせ、オリジナル以上の魅力、放ってしまう!そこに、バカノワ(ソプラノ)とスタヴラカキス(バス)が表情豊かに歌い、盛り上げる!さらに、スーイエ(ヴァイオリン)、ティベルギアン(ピアノ)も、スタヴィと息の合った演奏を繰り広げ、魅了してくる。

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