9月6日、ルネサンスの黎明... 黎明期なればこそのピュアな表情に癒される。
今や老舗?イタリアの古楽アンサンブル、ラ・レヴェルディが、15世紀、フェッラーラの宮廷で歌われたモテット、ルネサンスの夜明けの音楽に光を当てる、"Lux Laetitiae"。
ルネサンスへの鍵となったイングランドの作曲家たち、ジョン・ダンスタブル(ca.1390-1453)、リオネル・パワー(1370to85-1445)に、その影響を受け、ルネサンスの扉を開いたブルゴーニュ楽派、ギヨーム・デュファイ(ca.1400-74)、ジル・バンショワ(ca.1400-60)のモテットの数々... フェッラーラの写本に収録されたものから歌う、"Lux Laetitiae(喜びの光)"。
ルネサンス期の一大文化センターとして芸術家(詩人のタッソ!)を引き寄せ、育て(フェッラーラ派の画家たち!)、時代を牽引した、イタリア、フェッラーラ公国(1452年までは侯... )、エステ家の宮廷... 音楽面でもまた先進的だったのだろう。15世紀前半、百年戦争を背景にイングランドからブルゴーニュ公国(フランドルもその一部... )へと受け継がれた、中世を脱する新たな感性は、遠く離れたフェッラーラでも認識され、歌われて...
それまでのイタリアの主流、トレチェント音楽(1300年代を意味し、複雑なポリフォニーを織り成す中世末に在って、後のイタリアらしさを先取りするメロディーがより強調された音楽... )の地中海的なオーガニックさを思い起こせば、"Lux Laetitiae"から聴こえてくるサウンドは、北方的?透明感湛えるハーモニーに、中世を解脱できての浮遊感が生む新しい麗しさ、息を呑む。何より、黎明期なればこそのピュアな表情に癒される。
いや、魅了されました!ラ・レヴェルディの歌声... 今や老舗?長く活動を続けているアンサンブルだけれど、どこか肩の力が抜けて、ますます研ぎ澄まされるような、そんなパフォーマンスを聴かせてくれる!で、それが、新しい音楽が生まれる黎明を瑞々しく捉えて、時空を超え、21世紀の今を以ってしても瑞々しい!
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