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3月26日、プログレ→現代音楽、異才、トゥールのクリアにして瑞々しいア・カペラ合唱作品の数々... プログレ感も?

合唱王国、エストニアから... エンドリク・ウクスヴァラフ率いるコレギウム・ムジカーレ室内合唱団による、エストニアの作曲家、トゥールのア・カペラ合唱作品集、"Canticum Canticorum Caritatis"。
ALPHA/ALPHA917

プログレから現代音楽にやって来た異才、エリッキ・スヴェン・トゥール(b.1959)のア・カペラ合唱作品... まずは、東方正教会における聖歌のフォーマットに則った、トリグロッソン・トリシャギオン(2008)、ラテン語による典礼、ミサ・ブレヴィス(2013)、アルバムのタイトル、英訳の聖書を歌う、カンティクム・カンティコルム・カリタティス(2020)... さらに、古代ローマの詩人、オウィディウスとウェルギリウスの格言による、オムニア・ムタントゥル(2020)、エストニアの詩人、エルンスト・エンノ(1875-1934)の詩による「さすらい人の夕べの歌」(2001)という、5作品。

トゥールの音楽の魅力は、現代音楽にして、どことなしに漂うロック味だけれど、ここで聴くア・カペラ合唱作品は、思いの外、北欧らしいクリアさ、瑞々しさに彩られ... 特に、教会音楽は、ア・カペラのピュアな佇まい、活かし、同郷、ペルト(b.1935)に通じる清廉さが広がる。一方で、全体に、直截的な印象もあり... そのあたり、何気に圧に感じられ、プログレ感?あるのかも... という中で、フっと芳しかったり、ムワっと悩ましかったり、時にポップ?最後に歌われる「さすらい人の夕べの歌」の表情の深みには、21世紀流のロマンティックさも見出し、惹き込まれた。

そんな、トゥールのア・カペラ合唱作品を聴かせてくれた、ウクスヴァラフ+コレギウム・ムジカーレ室内合唱団... まず、北欧の合唱ならではのクリアさに心洗われる!けど、クリアなだけじゃない、やわらかなハーモニーを紡ぎ出し、そのやわからさからは色彩が広がり、時に鮮やかで、インパクトすら生み... そうして、ア・カペラによるトゥールの音楽の魅力、引き立てる!で、惹き込まれる!

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