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9月29日、習作だなんて、とても言えない... メンデルスゾーン、10代の作品の驚くべき充実...

ファビオ・ビオンディ率いるエウローパ・ガランテが、メンデルスゾーンを取り上げる!弦楽のためのシンフォニア、2番と5番、ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲、ニ短調、など...

メンデルスゾーン(1809-47)、11歳の年、1820年に作曲された、ピアノと弦楽のためのラルゴに、3声のフーガ、ト短調とニ短調。12歳の年、1821年に作曲された、弦楽のためのシンフォニア、2番と5番。13歳の年、1822年に作曲された、ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲、ニ短調。15歳の年、1824年に作曲された、サルヴェ・レジーナ。18歳の年、1827年に作曲された、弦楽四重奏のためのフーガの8曲が取り上げられる。

で、弦楽のためのシンフォニアや、ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲は、時折、聴く機会もあるのだけれど、3声のフーガ?弦楽四重奏のためのフーガ?ピアノと弦楽のためのラルゴ?思いっ切り習作っぽいタイトルの作品が並んでいるあたり、凄いなと... とにかく、マニアックさ、極まってる!が、これが、思いの外、聴かせるから、驚かされる... 

そして、ソプラノが歌う、サルヴェ・レジーナ!まず、ルター派のメンデルスゾーンによるラテン語の聖歌が新鮮... で、これがまたモーツァルトへと還るような、アンシャン・レジームの得も言えぬ麗しさを放ち、息を呑む... 過去を踏襲することが、メンデルスゾーン少年にとっての習作なのだろうけれど、そのクウォリティは、モーツァルト級!

という、早熟、メンデルスゾーンを、鮮やかに弾き切るビオンディ+エウローパ・ガランテが男前過ぎた!いや、ビオンディのヴァイオリンが、圧巻!なものだから、13歳によるコンチェルトが見事なロマン派コンチェルトとして雄弁に歌い上げられ、惚れ惚れ... 聴き入るばかり… てか、13歳が、こうもロマン派を体得できていたことに、感服。

で、エウローパ・ガランテです。かつてはヴィヴァルディで鳴らした彼らが、メンデルスゾーンを取り上げるという... 何か隔世の観あって、感慨を覚えずにはいられない... ものの、それが何か?と言わんばかり、飄々と、チャキチャキにメンデルスゾーンをキメてくる、ビオンディ+エウローパ・ガランテ!バロック・スタイルのフーガは、鮮やかに深く、シンフォニアは痛快に、存分に響かせる!

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