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12月1日、生誕250年、ヴィルムス、"オランダのベートーヴェン"の、ウィーンに負けない充実の音楽。

ロナルド・ブラウティハムが、マイケル・アレクサンダー・ウィレンス率いるケルン・アカデミーとともに、"オランダのベートーヴェン"こと、ヴィルムスのピアノ協奏曲を取り上げるシリーズ、第2弾。
BIS/BISSA2524

5曲あるヴィルムス(1772-1847)のピアノ協奏曲... ブラウティハムのシリーズ、第1弾では、1799年頃に作曲されたホ長調(Op.3)、1807年に作曲されたハ長調(Op.12)、1810年に作曲されたニ長調(Op.26)と、作曲年代が早い3曲が取り上げられた。ということで、第2弾は、残りの2曲... ヘ長調(Op.32)と変ホ長調(Op.55)。ということで、より充実した音楽がそこに!

ちなみに、第1弾は、こちら...

まずは、1813年に作曲されたヘ長調(Op.32)... モーツァルトを思わせる軽やかな音楽が繰り出され、まごうことなき古典派コンチェルト!いや、18世紀の輝き、ぎゅっと凝縮されて、キラキラしている!しかし、時代は、すでに19世紀... いや、19世紀だからこそ、凝縮された18世紀が響き得るのかも... ワン・テンポ遅れたヴィルムスならではの集大成感、魅力的。

続く、1820年に作曲された変ホ長調(Op.55)は、"オランダのベートーヴェン"に納得。1楽章、冒頭、「皇帝」(1809)を思わせる鮮やかなピアノのカデンツァで始まり... いや、ベートーヴェンの影響、モロに受けてます。が、あの個性強めのベートーヴェンでないことにより、ピアノの輝き、引き立つのか... ヴィルムスにはヴィルムスならではの輝きがある。

で、何より、ブラウティハムのピアノがすばらしい!1819年製、コンラート・グラーフ(レプリカ)を巧みに繰って、その味わい深い音色を最大限に活かし、クリアにして表情豊かな音楽を響かせる。そこに、ウィレンス+ケルン・アカデミーがまたすばらしい!19世紀に入っての古典主義の充実、活き活きと響かせる!

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