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2月25日、モーツァルトの時代のミラノの教会を覗いてみたら... ラヴリー!

ジュリオ・プランディ率いる、イタリアのピリオド・アンサンブル、ギスリエリ管弦楽団と合唱団が、若きモーツァルトのミラノ滞在にスポットを当てる!モーツァルトは、もちろん、J.C.バッハら、ミラノで活躍した作曲家たちによる教会音楽の数々... "Mozart in Milan"。
ARCANA/A538

"ロンドンのバッハ"として知られる、バッハ家の末っ子、ヨハン・クリスティアン(1735-82)は、ロンドンへと渡る前、ミラノのドゥオーモのオルガニスト(1760-62)だった... というヨハン・クリスティアンのディキシット・ドミヌスとマニフィカトに、ドゥオーモの楽長を務めた、フィオリーニ(1716-78)のモテット、サンタ・マリア・デッラ・スカラ教会(スカラ座が立つ前に存在した教会!)の楽長を務めた、キエーザ(1740年以前-1799年以降)のモテット、そして、古代末以来、ミラノで歌い継がれてきたアンブロジオ聖歌も取り上げて、1773年、モーツァルト(1756-91)、17歳、ミラノにて書かれた「エクスルターテ・ユビラーテ」が歌われる、 "Mozart in Milan"。

いや、モーツァルトの時代のミラノの教会音楽を覗く、なかなかに興味深い内容... で、ヨハン・クリスティアン、モーツァルトによる花やかな音楽!キエーザの古典派オペラを思わせる音楽に触れると、古典主義の時代のミラノの充実(普段、スルーされがちだけれど... )、賑わい(モーツァルトもやって来た!)、感じられ、ワクワクしてくる!またそこに、フィオリーニのオルガン伴奏で歌われる4声の合唱の古風さがあり、ア・カペラのアンブロジオ聖歌の厳粛さもあって... ただ賑わっていただけでない、伝統も息衝いていた街、ミラノでもあって... 見事なパノラマが織り成される!

という、"Mozart in Milan"を聴かせてくれたプランディ+ギスリエリ管&合唱団。いやー、ピリオドならではの訥々としたサウンドを活かしての、味ある風情... ツボ!ちょいユルめの演奏に、ほんわか温もり放つ合唱、ソリストたちもどこか素朴で、何だろう、いい具合にローカル感、出てる?そのあたりに、妙にリアリティが生まれるようで、おもしろい!てか、モーツァルトが訪れたミラノ、ラヴリー!このラヴリーさ、ちょっと他では味わえないものかも... 魅了されました。


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