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11月21日、フランドル楽派、黄金期、イザーク、コンスタンツ大聖堂の祝祭を彩った壮麗なる教会音楽...

マーカス・ウッツ率いるドイツの合唱団、アンサンブル・カンテッシモが歌う、イザークの大作にして遺作、『コラリス・コンスタンティヌス』から、四季折々の教会音楽...

フランドル楽派、黄金期の巨匠、イザーク(ca.1450-1517)が、コンスタンツ公会議(1414-18)で知られる、ドイツ南端の司教都市、コンスタンツの大聖堂から委嘱(1508)された、クリスマスや復活祭など、四季折々に捧げられる一年分のミサの集成、『コラリス・コンスタンティヌス(コンスタンツ大聖堂の合唱曲)』(イザークは完成させることができずに世を去り、弟子のゼンフルが完成させた... )。から、18曲が取り上げられる。

で、その18曲... クリスマスに、聖母の被昇天、復活節(復活祭―昇天祭―聖霊降臨祭)、そして、聖コンラート(10世紀のコンスタンツ司教... )の祝日のための音楽から選ばれ、その4つのパートに分けて歌われる。いや、どのパートもまさに教会暦のハイライト!ということで、輝くその音楽!そして、それぞれの雰囲気、輝きの中に窺えて、惹き込まれる!

ノエル感、漂わせる、ふんわりやわらかなクリスマス・パート、エモさも見受けられつつの深み感じさせる聖母マリアのパート、春が燃え出づるような力強さ伝わる復活節パート、最後は、朗らかで花やぐ聖コンラートのパート... 均質なイメージに陥りがちなルネサンス・ポリフォニーにして、そこはかとなしに雰囲気を紡ぎ出せるイザークの妙...

一方で、フランドル楽派、黄金期のルネサンス・ポリフォニーの美しさよ!洗練されたハーモニーは、その後の爛熟期の複雑さとは違って、清々しく、何より耳に心地良く... で、それを織り成すウッツ+アンサンブル・カンテッシモの歌声!やわらかくも澄んだアンサンブルは、イザークの端正にして表情に富むポリフォニーをやさしく引き立て...

また、声とともにポリフォニーを織り成すコンチェルト・デッロンブラのコルネットとトロンボーンの響きが効果的で、かつてのコンスタンツ大聖堂での祝祭の壮麗さ、蘇らせるよう。いや、金管が加わっての神々しさ、厳粛さ、魅了されます。

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