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10月15日、ドレスデン・コネクション!ワクワクさせられっぱなしの、カッコいいバロック、盛りだくさん!

アルフレード・ベルナルディーニ率いるアンサンブル・ゼフィロが、ザクセン選帝侯のお世継ぎのグランド・ツアーに始まる、ドレスデンの宮廷音楽の新たな花やぎ、見つめる、"Grand Tour a Venezia"。

1716年、若きザクセン選帝侯世子、フリードリヒ・アウグスト(1733年に選帝侯に、翌年にはポーランド王となる... )が、ヴェネツィアを訪問。その随行員には、後にドレスデンの宮廷楽団のコンサート・マスターとなるピゼンデル(1687-1755)、後にドレスデンの宮廷礼拝堂の楽長代理を務めるゼレンカ(1679-1745)がおり、またこの訪問で、フィレンツェ出身のヴァイオリンのヴィルトゥオーゾ、ヴェラチーニ(1690-1768)が、選帝侯世子の室内楽奏者にリクルートされ、後にドレスデンの宮廷楽長に就任するハイニヒェン(1683-1729)は、その足掛かりを作り、ヴェネツィア楽派の大家、ロッティ(1667-1740)は、宮廷劇場に招聘され、ヴェネツィアの鬼才、ヴィヴァルディ(1678-1741)は、ピゼンデルを指導、ドレスデンとのパイプを作る。

という、選帝侯世子のヴェネツィア訪問による音楽関連の諸々を見事にまとめ上げた、"Grand Tour a Venezia"!ヴェラチーニの序曲(組曲)に始まって、ピゼンデルのヴァイオリン協奏曲に、ロッティのオペラ『アスカニオ』(1719年、宮廷劇場で上演... )のシンフォニア、ハイニヒェンの2つのオーボエのための協奏曲、ゼレンカの序曲(組曲)、そして、ヴィヴァルディの協奏曲「ドレスデンのオーケストラのために」で締めるという構成...

で、盛りだくさん!イタリア勢の創意!ドラマティックさ!に、その影響を受けつつ、フランスの優雅さも聴こえてくるドイツ勢の器用さ、どちらも凄い... いや、師(伊)弟(独)の関係ながら、師から学びつつ、師に挑戦するようなところもあり、盛りだくさんの中で、作曲家たちが、何だか、バチバチ!だから、花火が次々に打ち上げられるように展開され、聴く側は、もう、ワクワクが止まらない!で、締めの「ドレスデンのオーケストラのために」のゴージャスさたるや... そこにドレスデンの充実が表れている。

そんな、"Grand Tour a Venezia"を聴かせてくれたベルナルディーニ+アンサンブル・ゼフィロ。まず、オーボエ奏者として、ベルナルディーニが大活躍!朗らかかつ表情に富む演奏、惹き込まれます!で、エッジの効いたアンサンブル・ゼフィロの演奏がカッコいい!バロックのスリリングさ、鮮烈に響かせ、魅了される。


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