見出し画像

3月13日、ルネサンス的壮麗とプログレ風のカッコ良さを結ぶ、驚くべき21世紀のミサ「ロム・アルメ」。

ラトヴィアの古楽ヴォーカル・アンサンブル、アルス・アンティカ・リガが歌う、プログレ出身という異色のラトヴィアの作曲家、プラウリンシュによる、ミサと間奏曲、「ロム・アルメ」。
SKANI/SKANI142

オケゲム(ca.1410-97)、ジョスカン・デ・プレ(ca.1450/1455-1521)ら、ルネサンスの大家たちにより、多く書かれた、古謡「ロル・アルメ(武装した男)」のテーマに基づく定旋律ミサ... それに倣い、男声5人のアルス・アンティカ・リガのために書かれた、ウギス・プラウリンシュ(b.1957)によるミサと間奏曲「ロム・アルメ」(2016)。トロンボーンの古楽器、サックバット、2本と、オルガンという、かつての時代を想起せる楽器に、キーボードのエレクトリックなサウンドが色を添える、異色のミサ。

ルネサンスのスタイルを踏襲する、男声5人によるポリフォニー... 「ロム・アルメ」のテーマを丁寧に用い、思いの外、ルネサンス期のミサ「ロム・アルメ」っぽさ、出してくる。一方で、「ロル・アルメ」の古謡ならではのキャッチーさ、より活かし、時に武装した男の勇壮さも引き出して、エモーショナル!で、サックバットとオルガンの壮麗な響きが、古雅にして、スペイシーでもあり、そこにキーボードが加われば、プログレ感、漂い始め、何だかカッコいい!でもって、感動的ですらある。

という21世紀のミサ「ロム・アルメ」を聴かせてくれた、アルス・アンティカ・リガ... 実直な歌声とやさしいハーモニー、古楽で培ってきたもの、現代作品でもしっかり活かされ、絶妙な古風さとエッジーさで魅了!そこに、味わい深く、かつ鮮やかなナルティシュス、マヨルスのサックバット、ペルシェの弾くオルガンの壮麗さが、ミサの雰囲気を引き立てつつ、キーボードが、全体をプログレの方向へと引っ張ってゆき、おもしろい!いや、思い掛けなく、魅了された!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?