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7月15日、オペラじゃないマスネが新鮮!マスネのオーケストラ伴奏歌曲の美しさに、夢見心地...

エルヴェ・ニケの指揮、パリ室内管の演奏、シャンタル・サントン・ジェフェリー(ソプラノ)、ヴェロニク・ジャンス(ソプラノ)ら、フランス語圏の歌手たちが歌う、マスネのオーケストラ伴奏歌曲集。

ソプラノ、テノール、バリトンが歌う、歌曲、21曲に、ソプラノとバリトンによる二重唱。そこに、ピアノ曲集、『アルルカンの物語』から、コロンビーヌの夢、宗教的場面のオーケストラ版に、オペラ『テレーズ』から、愛のメヌエットの3曲を間奏曲のように挿んで... いつもとは、ひと味違う、歌曲という視点から見つめる、マスネの音楽。

オペラのドラマ性から解き放たれたマスネの音楽... そんな印象を受ける、ここで聴くマスネのオーケストラ伴奏歌曲集。解き放たれて、マスネならではの、あの芳しいメローさ、より引き立つようで... 引き立って、軽やかに羽ばたき出すマスネの音楽!これが、思い掛けなく魅惑的なのです。そして、美しいオーケストレーション... 魅了される...

いや、作曲家としてのマスネの腕、センス、今さらながらに再確認させられるオーケストラ伴奏歌曲の数々。で、一曲一曲の短さが、マスネの魅惑的なエッセンス、濃縮させるようでもあり... そんな歌曲に触れると、目が醒めるような感覚すらある。無駄の無いメロディー、響き、聴く者の耳を心地良く刺激するのです。オペラには無い感覚...

そんな歌曲を聴かせてくれる、フランス語圏の歌手たちがすばらしい!特に、デヴォス(ソプラノ)の天使のような歌声、デュボワ(テノール)のピュアな表情、デュピュイ(バリトン)の花のある伊達っぷりは、魅了される。そして、今や大御所、ジャンス(ソプラノ)の上品さ!その上品さから、満たされてゆくマスネの豊潤さの魔法たるや!

で、ニケの指揮、パリ室内管の演奏が、またすばらしい... "室内"という規模を丁寧に活かし、キリっと端正なサウンドで織り成しつつ、フランスならではの響きの美しさ、マスネの流麗さ、卒なく繰り出して、歌ばかりでなく、伴奏でも惹き込んでくる!そんな演奏に包まれていると、夢見心地な気分に... 美しきマスネ。

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