見出し画像

10月14日、ドレスデンのコンサート・マスター、ピゼンデルのために書かれたヴィヴァルディのコンチェルトに、ワクワク!

naive、"VIVALDI EDITION"から、ジュリアン・ショーヴァンのヴァイオリン、彼が率いるル・コンセール・ド・ラ・ローグの演奏で、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集、第10集、"Intorno a Pisendel"。ヴィヴァルディの弟子、ピゼンデルをフィーチャー!

ザクセン選帝侯のドレスデンの宮廷楽団のコンサート・マスターを務めたピゼンデル(1687-1755)。バッハやテレマン、ゼレンカらと親交を持ち、同時代を彩った作曲家たちから多くの作品を献呈された逸材... で、そんな作曲家のひとりが、ヴェネツィアの鬼才、ヴィヴァルディ(1678-1741)。1716年、ピゼンデルは、ザクセン選帝侯のお世継ぎのグランド・ツアーの随行員としてヴェネツィアを訪れ、ヴィヴァルディの下で修業。以後、師弟の間には、深い信頼のパイプでつながれることに...

というあたりに注目する、"Intorno a Pisendel(ピゼンデルの周辺)"。ヴィヴァルディがピゼンデルのために書いたコンチェルト、3曲(RV 237, 314, 340)に、ピゼンデルがドレスデンで演奏しただろうヴィヴァルディのコンチェルト(スコアにピゼンデルによるメモが残っているとのこと... )、3曲(RV 225, 226, 369)の、全6曲が取り上げられる。

いや、もう、全部、カッコいいです!バロック期のベルリン・フィル?欧州随一の規模を誇ったドレスデンの宮廷楽団の記憶を呼び覚ます、充実のサウンドに乗って、繰り出されるヴァイオリン・ソロの、鬼才、ヴィヴァルディならではのキャッチーにして、どこへどう転ぶかわからないスリリングさ!理屈抜きに、ワクワクさせられる!

そんなヴィヴァルディを聴かせてくれた、ショーヴァン+ル・コンセール・ド・ラ・ローグ。彼らのフランスならではの感性により、ヴィヴァルディの音楽はより明瞭に響くようで、いつもとはひと味違うかなと... 隅々まで明るい光で充たされ、ヴィヴァルディのおもしろさが、素直に繰り出される!その衒わななさが生む魅力が眩しい。

そして、何と言っても、ショーヴァンのクリアにして明朗なヴァイオリン!澄み切って、どこか、鬼才の鬼才性を浄化するようでもあり、ケレン味ばかりじゃない、ヴィヴァルディの音楽の本質的な凄さ、卒なく紐解いて、見事。いや、最高!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?