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自分の生き方を変えた離島での暮らし

「海士町に行ってみたい。」と、期待とわくわくを両手いっぱいに抱えながら、大人の島留学に参画した山名さん。大学4年次を休学し、1年間海士町役場の半官半X特命担当で働きました。

地元での暮らしと180度変わった島での暮らし。大人の島留学を通して気づいた、島の魅力をありのままに語っていただきました。

山名さん

気になった海士町に迷わず飛び込んだ

一度住んでみたかった。その想いで飛び込んだ海士町。初めて海士町を知ったのは、大学2年生の講義中に先生が、「旅行するなら絶対に隠岐諸島!」と太鼓判を押していたからです。(笑)

すぐに検索するとめっちゃ素敵で、その年の夏に西ノ島に行きました。そのときに、なんかこの場所好きだな~!って、思って。

そのあとにも、大学のゼミで隠岐島前高校についての本を読んだり、何かと目にする機会が多かったので、一度ここに住んでみたい!と思って、1年間休学して海士町に行くことにしました。

知らない土地に行くんだから、ちょっとくらいどうしようか迷ってもいいのに、その時から一切迷いはありませんでした(笑)

コロナ禍で何もやってないまま大学生活が終わるのはなんか違うなって思っていたし、中学・高校・大学に通って、そのまま新卒で入社。と、ありきたりな流れにちょっと反抗したくもなって。

はじめは、海士町教育魅力化のインターンシップを問い合わせたんですが、面接の段階で、大人の島留学の方が合ってるんじゃないかとオススメしてくださり、大人の島留学に参画することになりました。


貢献できているかを念頭において

この1年間は海士町役場半官半X特命担当で働いていました。社会人になったらなかなか挑戦できないこと、これから巡り合う機会のないような仕事をしてみたい。もしかしたら、これからずっと続けたい仕事と出会えるかもしれない。そう思い、半官半Xに決めました。

半官半Xでは、1つの仕事だけじゃなく、色々なことをしました。半官半Xの日常業務の補佐や、漁協関連の仕事の一環で港湾を見回ったり、漁師さんとコミュニケーションをとったり、

役場の新規プロジェクトの会議に出席したり、半官半Xの説明資料を作ったり。

課内の仕事だけでなく、町内に飛び出て、ホテル「Entô」でのクリンネスや海士町保健福祉センター 「ひまわり」でのサポートなども行いました。

「島のためになる仕事をする」という幅広く活動する課だったので、選択肢が多く難しくもありましたが、島全体を意識した働き方をしました。

その中でも難しかったのは、「半官半Xのため」に自分ができることは何かということ。ほかの事業所に派遣していただくことも多く、自分の所属意識をどこに持っていけばいいのか、気持ちの面でブレていたと思います。

ほかの事業所で働いているときは、半官半Xとしてではなく、その事業所の一員として働いている感覚で。拠点の半官半Xの仕事をしてようやく、半官半Xとしての意識を持てるようになるという感じ。

どんな仕事も半官半Xに還元できるように仕事をしようと心掛けていました。正直、日常業務はわからないことばっかりで、何をやっても結局初めての仕事だから、自分のベストを尽くすことを考えてました。


ずっと暮らしていたい場所に出会った

1年間の島暮らしは、本当に楽しくて好きな日常で溢れていました。暮らしていた多井地区は、海士町の中でも特に、立地的にも印象的にもこじんまりとした「ここだけの集落」のような感じ。

自動販売機も商店もないけど、なんとなくこの地区だけで完結できるような、海もすぐそばにあって、豊かでした。

島に来るまではのんびりする時間が嫌いで、生産性のない時間が無意味な感じがして、何かしなきゃ!と焦ってばかりいたというか。無駄な時間を短くして、自分のやりたいことをやれるか、そんな毎日でした。

でも、ここで暮らして、ぼーっとする時間が贅沢で、好きな時間になった。だから島に来たことで、天と地がひっくり返るくらい、人生が変わりました。今までの感覚とは違って、許せなかった空白が日常になって、それが良い時間だって心から言える。

食器を洗っている家事の時間も、ゆっくりしている無の時間も、全部自分の時間だし、何もないのもいい。この生活に焦りもなく、これでいいんだという感じがして、初めて、生活自体を楽しめた1年間だったなって思います。


――どういったところに島の魅力を感じますか。

好きな要素は色々あるけど、1番は島のみなさんが温かいことです。島に住みたいなと思う動機に「人」という要素が大きくて。だからまた島に住みたいです。

その反面、「人」という魅力で移住を決断するのに怖さも感じています。素敵な人たちがいなくなったとしたら、何を大切にするべきか迷子になってしまいそうで。

大人の島留学が修了したあと地元に帰って、自分の脚でしっかり歩んでいけるのかもう一度考えて、自分が納得する暮らしができたらいいなと思っています。

シェアハウスの仲間たち



後悔しない選択をする

1年間の大人の島留学を通じて、自分はまだ将来に対して漠然としか考えていなかったことに気づきました。だから自分がこれからどうしていきたいのか考えるきっかけになりました。

この1年は日常でありながら、非日常でもある。自分はまだ大学生で、将来を考えなきゃいけない。心が浮かれているような、現実を見ていないような感覚になることが多くて、一旦自分のするべきことをしなければ!と思い、大人の島留学の延長はやめました。

延長するか本当に迷ったけど、一回大学生に戻って、地元に戻って、海士町で経験したことを冷静に評価したい。海士町で学んだことを、自分のやりたいことを考えられるように。

みかん収穫をお手伝い


――これから挑戦したいことはありますか。

地元に帰ってからやりたいことがいっぱいあります。とにかく地元の、日本の色んなところに行ってみたい。海士町に来て思ったのは、自分の知らないところ・ものが多いなということ

出会ってないけれど良い場所がまだまだあると思うと、知らなきゃもったいない!(笑)どこに住むか、誰といるのか、何をするのかを大切にしていきたいと思います。

山名さんありがとうございました。

おわりに

ここにいるみんなが好きだ。ここにずっといたい。そんな場所が一つでもあれば、それがこれから何かに挑戦するときの大きな糧になるような気がしています。

何気ない日常が幸せだ。そう感じる日々をこの島で過ごしてくださるとうれしいです。ぜひ大人の島留学に参画してみませんか。


LINKS

▼大人の島留学・島体験について


▼同じく半官半Xで働いていたみなさん

最後までご覧いただきありがとうございました!


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