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俺たちに明日はあるか続々ゾクゾクゾクゾクゾク編

俺とショーは、寒くなってきたので、
暖房費節約の為、二人でお父ちゃんの部屋で過ごすことにした。
お父ちゃんの部屋には、昔の漫画とか雑誌がそのままあって、
退屈する事がない。
火の鳥、ガンバレたぶちくん(野球選手のギャグ漫画)、
ハレンチ学園、つる姫じゃー、三国志。
そして、トム、ユキも仕事が終わると、この部屋に来る。

「今度、闇鍋パーティしようか?」
「何、それ。」
「お父ちゃんに、聞いた。」
「それぞれ、食べるものを鍋に入れるんだけど、真っ暗で食べるんだ。」
「面白そう。」
「やろう。やろう。」
「ゲテモノは、やめようや。虫とかは無しだぜ。」
「溶けるやつも、無しだよ。
チョコレートなんか入れたら、チョコレート鍋になっちまう。」
「ふむ。ふむ。」

闇鍋決行の日、みんなニヤニヤしている。
一体何を鍋に入れようとしているのか?

「トキオのコスプレは、何や。」トムは、可笑そうに言った。
「リボンの騎士のフランツ王子やないかい。」

「ぷっー、ババ受けするマニアックで、きたな。」
「パフスリーブに、おばぁちゃんのベストを着て、ベルトをして、
お父ちゃんのタイツを履いているし、髪の毛は七三にして、
前を膨らましているんや。どう見ても、フランツ王子やろ。」

みんな、笑い転げている。

「お前こそなんや。タオルで、鉢巻して、鼻毛を描いているし、
どう見ても、バカボンのパパやろ。追悼か。」

ショーは、おばぁちゃんのカラオケ衣装のドレスを着て、
帽子にリボンをつけている。サファイヤ姫のつもりみたいだけど、
ドレスがダサい。
ユキは、割烹着を着て、頭におばちゃんのヘヤーピースとやらをつけて、
バカボンのママに、ばけているつもりだ。

まずは、ダシ鍋に白菜とマロニーちゃんを入れて炊く。
そして、同じ袋にみんな各々持ってきた品をほり込む。
電気、カセットコンロのガスも消して、鍋の蓋を開け、袋を逆さまにして各々の品をほり込む。そして、鍋の蓋をして、ガスをつけて炊く。

カセットコンロのガスを消せば、お楽しみの真っ暗だ。
クスクス笑いが止まらない。
「よし、やるぞ。」

最初はグー。

「食べ終わる前に、何を食べたか言うこと。」
ガスを消した。

ショーからだ。
お玉で、取り皿に入れる。
「うーん。白菜。うーん。なんだこの細長い、ぐにゃぐにゃ。スルメ?」
「出汁が出たかな?」と、笑う。

「次は、俺。白菜、そして、うーんこのグニャは、牡蠣やな。
そして、なんやこの葉っぱのついたのは?甘酸っぱいがな。
誰や、ケーキの上に載せんなんのに、いちご入れたんは。
ボンズで、食べたがな。」
クスクス笑いが止まらない。

彼女のいない俺たちは、外ではお星様が煌めいているその下で、
闇鍋を楽しんでいた。

突然、ショーの携帯が煌めいた。
何?
「私、結婚するの。会わせたい人がいるの。一度帰ってきて。」
というメールだった。


続く
#オリジナル #大人のぬりえ#コメディ








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