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宝もの

君が君だけの時間を大切にしていることは知ってる

君の部屋がどこかに繋がっていることも知ってる

君だけの秘密基地だってことも知ってる

君だけの分身がいるってことも知ってる

居場所も形も違うけど

君がどこかの世界で生きているってことでしょ

遠い町でも 

近くの町でも 

いつでも誰かが君の側にいてくれて

細くて弱々しい糸だけど 

なんとか繋がっていて

君をひとりぼっちにはしないんだ

僕はそれが嬉しい

君がほんとうのひとりぼっちにならなければ 

僕はそれだけでいい 

もし その糸が切れてしまったとしても

僕は君をひとりぼっちになんかさせない

君が迷子になったら探しにいく 

君が途方に暮れれば迎えにいく

僕にとって

君が君でいてくれるなら

それだけでじゅうぶんなんだ

それだけで価値があるんだ

無口な君がたまに見せる 

ヘタクソな笑い顔

不器用な笑い顔

それは 僕の宝もの




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