22 遺伝子解析への危惧

全ての多様性はスペクトラムであると信ずるが、数値という魔物は厳然たる境界を形作る。
個性の発現は蓄積された経験や記憶やその日の体調や、周囲の環境との相互関係の中で現れるものであるのに、遺伝子の特性と数値がその人がその人足る要因と誤解されてしまうことで、新たな分断や差別の契機となるのではないかという危機感を持つ。
あらゆる現象の要因や原因をその人のもつ内部的要因に帰属するというバイアスを持つ我々であるのに、個性が数値化されるという幻想を遺伝子にもてば、より生きづらく、窮屈な構造に自らを置く羽目になる。
我々が何者であるかがわかることに自由が侵害される印象を持つのはなぜだろう、余地がなくなることへの恐怖感か

我々はよくわからないことに希望を見出し、よくわからないからこそ可能性を信じられるからか?

バカがいいこともある。

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