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【写真あり】「蜷川実花 瞬く光の庭」を本音レポート!【2022年夏アート展】

こんにちは!「おとな女子のホンネ情報局」編集部のイチハラです。
今日は、2022年夏に注目のアートイベントについてホンネでレポートします!

蜷川実花×歴史的建造物の異色コラボレーション

今回訪れたのは、6月25日から開催中のアート展「蜷川実花 瞬く光の庭」@東京都庭園美術館です。

ご存じの方も多いかもしれませんが、蜷川実花さんは通称「極彩色」と呼ばれる強烈に鮮やかな色彩で織りなす写真・映像作品で人々を魅了するクリエイターです。(代表作:「さくらん」「ヘルタースケルター」など)

昨年、活動の集大成となる大規模な巡回展を行なったばかりの蜷川さん。次の発表はどのような内容になるのか、期待の声も多いでしょう。

今回発表の場となる「東京都庭園美術館」は、別名「旧朝香宮邸」と呼ばれ、細かい説明は省きますが由緒ある建物として国の重要文化財に指定されています。その特徴は、温かみのあるナチュラルな色合いと、シックでエレガントな建築装飾(美術用語を使うと「アール・デコ」という様式)です。

そんな美術館と蜷川さんの共演は…まさに未知の領域。

早速、鑑賞していきましょう!

「蜷川実花 瞬く光の庭」作品写真付きでレポート!

東京都庭園美術館への入館は、事前にオンライン決済でチケット購入しておくと便利です。スタッフの方にQRコードを見せて入館します。
(逆光で写真がホラーハウスみたいに…汗)

今回の展示は、植物(主に花)の写真を通じて「四季」をめぐる構成になっています。1階から、桜、ツツジなど春を代表する花からはじまり、藤、ネモフィラ、蓮、紅葉と2階の展示にかけて徐々に季節が変化していきます。

写真は、一部のエリアのみ撮影可能です。

1階の様子です。格式ある空間に蜷川さんの写真が強い存在感を放ちます。

一つにまとまりきっているというよりは、決して混ざらないモノ同士が互いの存在を際立たせている印象があります。

通常の美術館とは違い、窓に作品が飾られているなんとも不思議な光景ですが、東京都庭園美術館ならではの展示テクニックのようにも思えます。

蜷川さんの写真は強い光が写り込んでいるものが多いで、鑑賞時に窓からリアルタイムで日差しが差し込むことによって作中の光が再現され、没入感の演出を仕掛けているのではないでしょうか。

2階の廊下の様子です。このエリアは特に蜷川さんらしい色彩ですね。足元から天井まである大きな作品で、迫力もあります。

展示のラストとなる別館には、映像作品を使ったインスタレーションもあります。この映像では、蝶になった気分で四季の景色を巡ります。「人」として体験することのない、花や草木の圧倒的近距離視点での美しさや、移ろいゆくものの儚さを全身で感じることができます。

蜷川実花さんが今回の展示に込めた想い

会場で上映されていた蜷川さんへのインタビュー動画によると、今回の作品はここ1年半で撮影した新作で、国内の誰でもアクセスできるような場所で撮影したもの。

そして今回主題となったのが「光」。これまで蜷川さんの代名詞だった「極彩色」と変わり、「光」や「光彩色」に強くひかれた撮影になったそうです。そこには「儚いものを封じ込めたい。」「希望がいつまでも続いてほしい。」といった想いがあったよう。

こうした背景を知ると、東京都庭園美術館での光を生かした展示も納得ですね。

「蜷川実花 瞬く光の庭」率直な感想と、注意点

1時間半〜2時間ほどで全ての展示をまわることができました。

総じて、写真・映像界の革命児・蜷川さんの新たな一面を知る貴重なアート展だったと思います。東京都庭園美術館とは程よい違和感を残しつつも、両者の存在を際立たせている、素晴らしい関係性でした。

なにより、全ての作品は国内の身近な場所での光景ということで、私たちも「日常の中でこうした美しい瞬間が見つけられるかも」といった希望さえ感じます。

一方で、気になった点や、鑑賞時の注意点もあげておきます。

●他の美術館に比べて監視体制が厳しい印象(ちょっと緊張するかも)
●作品がアクリルガラスにプリントされているので撮影しづらい(天井の照明などが反射して映り込んでしまいます)
●インスタレーションの映像は、見過ぎると画面酔いする(私が三半規管が弱い体質だからかもしれません)
●館内でのハンディファンは使用不可(もちろんバッグに入れておく分には問題なし)

以上、「蜷川実花 瞬く光の庭」の本音レポートでした!
気になった方はぜひ、足を運んでみてくださいね。

「蜷川実花 瞬く光の庭」詳細情報
会期:2022年6月25日(土)-9月4日(日)
観覧料:一般 1400円
    大学生(専修・各種専門学校含む)1120円
    中・高校生、65歳以上 700円
会場:東京都庭園美術館
休館日:毎週月曜日 ※ただし7月18日(月・祝)は開館、7月19日(火)は休館
最寄駅:JR山手線「目黒駅」
    東急目黒線「目黒駅」
    都営三田線・東京メトロ南北線「白金台駅」

東京都庭園美術館 公式HP

【書いた人】Ichihara Yui(イチハラ ユイ)
東京在住のライター。モノ・空間の芸術性を伝えるライティングが得意です。 「おとな女子のホンネ情報局」では、アートイベントのレポートやアートの楽しみ方などをお届けできればと思います。
https://note.com/vast_auk841

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