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嘘をついても、物語は終わらない。

金の斧を出されても

銀の斧かと問われても

キコリはそれでは仕事にならない。

「鉄の斧」

そう言おうと思っていた。

ところがヘルメースの女神さまときたら

いきなり3本出して

「ぜんぶ持っておいき」

とオラに言ったんだ。

びっくりさせるのはよしとくれ。

これまでたくさん読み聞かせられてきて

この頃マンネリ気味ってこぼしてたけど

予定調和じゃなきゃ

オラついていけねえ。

「接触は最小限に。おかみからのお達しじゃ」
 ヘルメース

あれ? 今度は童話世界が感染地?

ーーーーー

読み聞かされているのは

世界の子どもたちばかりではない。

5(コ)6(ロ)7(ナ)・567と

毎日ニュースで読み聞かされていれば

物語の人たちも

イヤでも新型567を意識するようになる。

イソップ寓話の『金の斧』

(または『ヘルメースときこり』)は

強欲なキコリが嘘をつき

持っていた斧まで失うところで幕を閉じる。

嘘をつけば話が終わるなら

いくらでも嘘をつくのに。

そう思ってはみたものの

悪い人にはなりたくないなあ。

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