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令和猿蟹合戦。

猿「おまえはどう頑張っても未来永劫、オレには勝てないのさ」
蟹「やってみるかい?」
猿「愚かなヤツ」
蟹「つべこべ言わずに、やるぞ」
猿「しょーがねーなー」

最初はグー
(ほらみろ、グーさえ出せない)
じゃんけん、、、

猿「グー」

その時だった。蟹は手足を広げ、パーを作って見せた。
それは誰が見ても惚れ惚れするみごとなパーだった。

蟹は不敵に笑ってから言った。「グーも出せるぜ」
大事なネジが抜けたみたいに顎を落とした猿に、蟹は勝ち誇って胸を張った。

猿「まさか。本当にグーも出せるのか?」
猿のショックは相当で、もはや言葉に力がない。

疑心暗鬼の猿に、蟹はトドメをさした。
蟹「ほれ」
蟹は手足を丸め、グーを作った。
猿「あ」

寓話の蟹は正直者でお人好しだったけど、シビアな時代をしたたかに生きる令和の蟹は、お調子者の顔を隠し持つ。

令和猿蟹合戦の教訓。

戦わずして勝て。
勝っても驕るな。

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