夢野リゾート、ご宿泊者様、お着き〜。

　旅に出よう。GWは好きだけど混雑はまっぴらごめん。休みをずらせればいいのだけれど、轍人生に抜け駆けは禁物。みんなが休むのに合わせて大混雑渦中にまっしぐら。

　そういや昨今、高騰続きの宿泊費。それに輪をかけ、人が集中すればアパホテルじゃないけれど、人の弱みにきっちりつけ込んだ高値安定の繁忙期。
　人も物も人気が集まればたちまち高嶺の花。呑気に構えていちゃ、取れる宿泊予約も取れなくなってしまう。
　だからといって、開店に合わせてドア駆け抜けてバーゲン会場にまっしぐら、なんてことはしたくはない。疲れるし、あとで振り返ると情けなくなっちゃうから。性格が関係しているわけなのよ。

　そういや今年の宿泊施設、カプセルホテルが満杯になっているのだとか。にわかには信じられないけれど、テレビ報道がそう言ってたよ。でもテレビの言うことだから、にわかには信じない。ニュースってのは視聴者にとって意外であればあるほど人目を引くものだから、あざとさマックスで報道をエンタメ化しちゃうものもあるからね。気をつけよう、甘い言葉と暗い道、オレオレ言葉と誇張報道。

　そんなこんなが入り混じり、旅だ、旅行だ、トラベルだで、ホテルも旅館も高値で売れるものだから、大型連休のお宿は特価なしの一本勝負。市場の大海原に謳い文句を投げ入れりゃ、その食いつきのよさに、釣れる、釣れる。満顔笑顔の高価なマグロを釣り上げたようなもの。いったん釣り上げればしめたもので、顧客はつられてオプションのあれこれにうっかり予約を入れちゃって。予算は当初の予定を飲み込んで、水位がうなぎ登りに上がってく。

　ところが。
　現状、恐ろしきかな。電話をすれどもどこもかしこも満杯で「あいにく」「生憎」の大増刷、お宿にとってはうれしい悲鳴なれどこちとら彼らの歓喜とは裏腹に悲哀の体を成している。
　結局は旅に行きたし宿はなし。これじゃまるで『竹田の子守唄　2023GWバージョン』になっちゃうよ。

　♪GWがきたとて　なにうれしかろ
　　空き部屋はなし　あてもなし

　仮に旅行に行けたとて、宿泊費の比重が重すぎて、お金をほかにまわせない。予算のやりくりがたいへんになる。
　取らぬ狸の皮算用、取られる（支払う）前に予算の段取り、あれこれ頭を悩ませて、ああでもないこうでもないと同じところを行ったり来たり。
　ここは入場料を削るべきか？　食費を落としてカップ麺？　特急列車は諦めて、途中から路線バスで乗り切るか？　ああだこうだと算段組んで、宿泊に全力投球。

　ん？　とそこで気がついた。宿泊で現実逃避を図るなら、別に遠くに行かなくったっていいんじゃん。近くでも旅行気分に浸れるホテルは山とある。なんなら自転車で移動したっていい。交通費分が丸ごと浮く。となれば、充実朝食の、ご近所ドーミインもいいかなあ。

　星野リゾートのお偉さんは「時期をずらして泊まることです」ってテレビのインタビューで提案なさってたけど、それってお宿の都合。一年365日、閑散期無用の安定宿泊者確保こそが命題なんだもの、営業トークもうまいねえ。でもねえ、轍人生に脇道なし、なのよ。とほほ。

　なにはともあれ、出遅れてしまったことで宿の手配は手遅れ。今年もまた空想の浪漫飛行にでも旅立ちましょうか。
　今年の旅行はひと味違う。時代背景を鑑みて、チェクインしたら最後、常磐ハワイアンセンター（現スパリゾートハワイアンズ）ばりの宿泊先だけで完結できる夢野リゾート（星野リゾートのもじりね）フルコース。
　大型連休は時間を持て余すこともあり、絵はラフ画にしてはとびっきりの力作。相変わらずじょうずに描けてはいないけど、たっぷり描いた感はある。自己満足感を腹一杯な感じ。
　気がかりは、まだ始まったばかりだということ。最後まで夢野リゾートで乗り切れるのかしらん。後になって振り返り、情けなくなったらイヤだなあ。

「夢野リゾート、チェックインご希望の方は迷わずご自分のベッドでお眠りください」

※上の絵に猫が５匹いるよ。
　さて、どこにいるでしょう？

　答えは以下に。上記の絵に○印がつけてあるよ。有料にしたのは、答えを隠す方法がほかに見当たらなかったため。
　５匹見つけたらそこでおしまい。あえて答えで確かめないでね。お金がかかっちゃうから。

■答えはこちら↓