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エレベーターガールは絶対に消えない職業だっていう話

消えた職業の代名詞のように言われているエレベーターガール(ガールという表現が今の時代適切かはさておき)。確かに昭和の時代と比べるとその数は圧倒的に減りました。もう過去の職業のように扱われています。ですが一部のデパートでは、曜日や時間帯によっては現在もエレベーターガールがアテンドしています。

決してそのエレベーターが古いからではありません。ホスピタリティもあるでしょうが、それ以外にも理由があってアテンドしています。そしてそれは今後どれだけテクノロジーが進化しても消えない理由だと思います。AIにとって代られない、人しかできない仕事の代名詞としてのエレベーターガール。その理由を書いてみました。

エレベーターを使わないと移動できない人がいる

デパートにあるエレベーターには、ベビーカーや車椅子優先というエレベーターがあるのをご存知でしょうか?車椅子に乗っている方や、子育て世代の方は一度は利用したことがあるはず。たったワンフロアの上下移動でも、エスカレーターは使えない人にとって、優先エレベーターはとてもありがたい存在です。

この優先エレベーター。もし満員のエレベーターに途中階からベビーカーや車椅子の方が乗ろうとした場合、本来は普通の人は降りなければなりません。これって遠隔操作やAI、社会的常識、倫理、こういったものでコントロールできるでしょうか?間違いなくできないでしょう。 「自分以外の誰かが降りればいい話」とつい思ってしがいがち。あるいは優先エレベーターに乗っているという自覚も実はないかもしれません。このような状況を唯一コントロールできる存在がエレベーターガールです。

ベビーカーや車椅子を使っている人が上下移動するためにはエレベーター以外の選択肢がありません。ビルも駅も。これってかなり面倒で、駅のエレベーターなんて何往復もしないと乗れないことがあります。ましてやデパートは地下の食料品売り場、上層階にレストランという構造のため折り返し階での乗車数が圧倒的に多く、途中階での乗車がしにくい場合があります。

今後、ベビーカーや車椅子を利用する人が増え、かつインバウンド旅行客や移民が増加するとエレベーター利用者の優先順位をコントロールしていく必要が出てきます。これらをコントロールできるのは「テクノロジー」ではなく「人」だと思います。人と人とのコミュニケーションだからこそ気持ちよく利用できる環境を作ることができるのだと思います。

現代、DXという表現下において様々な企業が莫大な金額を投資してテクノロジーを発展させようとしています。これは日本という国が国際競争力を維持するためには必要不可欠な投資であることは間違いありません。一見テクノロジーの発展に伴って消えたように見える職業も、本質的な価値がある限りなくなることはないのです。


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