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二度目の恋に誘う 世界トップレベルの建築と料理を飾るクラフトビール

人は二度、旅先に恋をする

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人が恋心をはっきりと自覚するのは、いつだってその対象が目の前にいないときだ。

旅行に行けば、その帰り道や帰ったあとの自宅の布団で瞼の裏に焼きついた光景を顧みて「あぁ、いいところだった」と思い返す。
そうして知ったつもりになった旅先に再び訪れた時、その新たに見えた表情に人は重ねて恋をするのだ。

2020年4月現在、世間は自粛ムード。
そんな中、楽しみに待ち望んで行くような候補からはとうに外れてしまったはずの温泉地、箱根強羅がふと脳裏によぎった。

人は二度、強羅に恋をする。

一度目は言うまでもなく、温泉地として箱根を回った時だ。
桜や紅葉のスポットとしても知られる日本で最初のフランス式整型庭園、箱根強羅公園と、それと対をなすような日本庭園を擁する箱根美術館。
二つを巡りつつ温泉と旅館の料理を楽しめば、箱根強羅は徹底して時間の流れを切り離して四季を体感させてくれるだろう。

そして二度目はそう、きっと大袈裟に聞こえるだろうが、今回紹介するGORA BREWERY&GRILLを訪れた時だ。そこに足を運べば、決してこれが誇張されたものではなかったことが感じ取れるだろう。

時間の流れから離れて、世界トップレベルの建築と料理を飾るビールを楽しむ

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世界トップレベルの建築家が設計した店で、世界トップレベルのシェフとコラボレーションした料理が楽しめる。
そんな陳腐な言葉で書いてしまうことで、その価値を大きく損なってしまいそうなほど贅沢な場所が箱根強羅には存在する。

ミクロ的視点の建築で国際建築賞のリーフ賞最高賞を始め、数々の賞を受賞してきた建築家、中村拓志氏。氏は「そこにしかないもの、そこでしか立たないもの」を追求してきた。

そして、かのロバート・デニーロととも厚いビジネスパートナーであり、ラスベガスを始め世界中にレストランを展開する有名シェフ、NOBUこと松久信之氏。
氏もまた「今目の前にあるものをどうしたら少しでもよくできるかにベストを尽くす」ことを自身の哲学とし、そのシェフにしか作れない創作料理を是としている。

彼ら二人に共通するのは「その場・その時・その人」にしか作れないものを作ることに人生を捧げていることだろう。
そんな、ともすれば凡人が溺れてしまいそうな哲学の中で黄金に輝くビールこそが、GORA BREWERYの醸造する《琥珀 KOHAKU》だ。
同ビールは、建物と料理に決して引けをとっていないことを証明するかのように、インターナショナルビアカップ2018にて金賞を受賞した。

この店とこの料理でなければ生まれなかったビール 琥珀 KOHAKU

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つまるところ、建築家とシェフ、二つの業界の世界で活躍するトップランナー達が作り出した空間で生まれた一流のビールーーそれが《琥珀 KOHAKU》だ。

GORA BREWERYもまた、徹底したモノ作りの哲学が漂う場で、提供する様々な料理とのペアリングを第一に考えた『そうあるべきビール』とでも言えるような銘柄を4種類醸造している。

中でも受賞歴のある《琥珀 KOHAKU》はもっともライトなベルジャンホワイトスタイルのビール。ベルジャンホワイトとして王道な味わいの中でもコリアンダーがしっかりとアクセントを利かせつつ、オレンジと小麦由来のほのかな酸味と香りが舌と鼻を楽しませてくれる。
通常よりもしっかりと風味の余韻が残るからこそ、ペアリングとして勧められるセビーチェやタコスなどの、暑い国のスパイシーな料理を抜群に引き立たせることができるのだろう。

逆境の明けた先で二度目の恋を

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騒ぎが収束したら、ぜひ一度訪れたことがあるところに足を運んで欲しい。

その時、そこが前と少し違って見えるのは、単なる時間の流れによる変化のせいではない。
場所は変わらずとも、自分が変われば感じるものも変わるのだ。
私たちは変わらないものを前にして初めて自身の変化を如実に感じ取れるようになるのだから。
「歴史あるものには価値がある」と直感的に感じてしまうのは、その不変性がその他のものの変化を浮き彫りにしてくれるからなのかもしれない。

温泉地として有名な箱根エリアは2020年4月現在、逆風の真っ只中にいる。
まだ記憶に新しい令和元年に猛威をふるった東日本台風の被害により、箱根登山電車が運休。
2020年7月下旬に復旧を見込んでいた中での、追い討ちをかけるようなこの騒動だ。

願わくば世の中が落ち着きを取り戻した時、貴方のその最初の足先が箱根強羅に、そしてGORA BREWERY&GRILLに向くことを。

文 : いもけんぴ

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