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より多くの人にこのビールを届けられたら 盛田金しゃちビールのルーキー 八木さんインタビュー

現在ふたりのみでは、「新人ブルワー応援キャンペーン Yell for Rookies」と題してRookieであるブルワーさんを応援するために、新人ブルワーさんが携わった(デビュー作や初めて仕込みを携わったものなど)クラフトビール6本をセットにして販売中です。その一環として本日から6作に渡り、ふたりのみオリジナルである、新人ブルワーさんのインタビュー記事を公開していきます。

新人ブルワー@3x

記念すべき第1弾となるお方は、盛田金しゃちビールのRookieであり、おうち時間が増えた今だからこそクラフトビールを飲んで少しでも多くの人を元気付けたい、安らげたいと考える、八木さんのご紹介です。

彼が初めて手掛けたアプリコット&オレンジは、元々樽での販売のみを予定していたクラフトビールです。それが瓶となり、偶然新人ブルワー応援セットに封入され沢山のお客様に飲んでいただけることになったため、ふたりのみとしても巡り合わせを感じています。八木さんも自分のビールが多くの方に飲んでいただけること、そしてお客様の声が聞けることをとても楽しみにしていました。

八木 アプリコット (1)

新人ブルワー応援キャンペーンは、ブルワーさんに応援を届けるところまでが1セットです。本キャンペーンのインタビュー記事を読んでくださる方は、どのブルワーさんにメッセージを送りたいか考えながら読んでみてください。

お話を伺っていく中で浮かび上がってきたのは、造ったものへの期待と不安がありながらも、愚直に作業を繰り返す八木さんの姿でした。レシピを書く前の下積み時代のことや、デビュー作が完成した時のことなどについて話していただきたいと思います。

愚直に知識をいれ、繰り返し作業をこなした


ー今回、新人ブルワー応援セットに封入されるアプリコットオレンジは八木さんのデビュー作になります。完成した今のお気持ちはいかがですか?

八木さん:やはり今までとは違う嬉しさみたいなものがありますね。

ー今までとは何が違ったのでしょうか。

八木さん:今までも盛田金しゃちビールのクラフトビールを造るために、仕込みやタンクの管理作業など、1通りの作業はやらせてもらっていました。しかし今回、上司に手伝ってもらいながらとはいえ、初めて自分で1からビール造りに携わって完成まで造り上げることができました。さらに、アプリコット&オレンジは元々樽での販売を予定していましたが、コロナの影響もあり、瓶での販売ができることになったのです。より沢山の方に飲んでいただきやすくなったという事実もあり、今までとは違った嬉しさでした。

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ー1通りの作業はやらせてもらっていたとのことですが、ご自身でビールを1から造らせてもらえるようになるまでの期間はどのように過ごされていましたか?

八木さん:元々母体の卸の営業として入社しましたが、何かの適正か、1年目の4月から卸営業ではなく配属が盛田金しゃちビール㈱(メーカー営業)になりました。そして、盛田金しゃちビール㈱の営業をしたあと、ビール営業担当から醸造担当に転向となりました。ビールを売る側からビールを造る側に代わったわけです。

ーそれはすごい。しかし、元々お酒好きで、ビールの会社に勤めていたとはいえやはり難しかったのではないでしょうか。

八木さん:おっしゃる通りです。とても大変でした。お酒に関しての知識ももちろん足りないのでかじりついて勉強し、同時に仕込みなどの作業も何度も繰り返しこなしました。しっかり確実に自分でできるようになるまでは本当に何度も繰り返しましたね。

ーそういう期間を過ごしながらも、ついにビール造りをさせてもらえるようになったということですね。実際ご自身でアプリコット&オレンジを造っている時はいかがでしたか?

八木さん:これまた大変でした。自分が思っていたよりも時間も手間もかかりました。仕込みがある日などは、長い日は13時間ほど作業を行います。中身の工程も、営業をしていたときに想像していたよりも細かく大変な作業が多いです。お湯を釜に張って、麦芽の粉を釜に入れて、そこから温度管理をして...本当に細かいですが、細かく考慮したことが味や色にちゃんと伝わるので、試し甲斐があって楽しいです。

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ーアプリコットを利用することは簡単でしたか?

八木さん:難しかったです。アプリコットといのはあんずともいうんですが、酸味があって美味しい果実なんです。
ただ、今回使用したのが、果汁(液体)ではなく、ピューレ(果肉をすりつぶしたもの)だったので、粘り気が強めで、麦汁と混ぜるときに偏りが出ることが多いです。調整ができていないと、下に溜まってしまったりすることもありますし、とにかく綺麗に混ぜることができるのか不安でしたね。

ーついに完成したあとは、心境や状況に変化はありましたか

八木さん:ありました。新聞などに掲載していただいたこともありましたし、アプリコット&オレンジを知った遠方の方からお電話をいただけることもありました。現状オンラインでの販売で比較的多くの方に飲んでもらえるようにはなっていますが、まだまだ届いてない地域もあり、そういう方にも盛田金しゃちビールのことを知ってもらいたいという気持ちも自分の中で芽生えました。

ー遠方の方から電話までいただけたのですね。それは嬉しいですね。アプリコットオレンジを実際に飲まれた方からはどんな反応がもらえましたか?

八木さん:飲まれたお客様からは、本当に優しくて、ほのかに香る美味しいビールであるということを言っていただけて、調整を頑張った甲斐がありました。上司や同僚からもとても飲みやすく、何杯でも飲めるねと言ってもらえ、ひとまず思った通りのビールが作れたことに安堵しましたね。

できるだけ沢山の人の手に渡って欲しい

アプリコットオレンジ


ーなぜアプリコットオレンジを造ろうと思ったのですか?

八木さん:クラフトビール業界では毎年、春と秋にイベントが開催されます。盛田金しゃちビールでもそこに向けてビールを造っています。今回、毎年秋口に開催されるイベントに向けた限定商品を会社で造る方針になりました。最近はフルーツビール が賑わっていることもあり、フルーツビールを出すことになったのです。

そこで調査のために他社のビールを飲んでいたら、アプリコットをつかって造られたビールがあまりないことに目を付けることができました。
そのアプリコットの酸味にオレンジを加えることで美味しいビールが作れるのではないかということからこのビールを作りました。

ーそれで名前がアプリコット&オレンジなんですね。

八木さん:そうです。名前は他にも結構案がありました。あまびエールなど...

ー面白いです!あまびエールはどういった由来ですか?

八木さん:あまびエールは、原料の頭文字からとって付けた名前です。アプリコットのA、マンダリナ・バーバリアのMA、バレンシアオレンジのV、最後にビールなのでエールという感じです。

ーマンダリナ・バーバリアですか。

八木さん:そうです。希少なホップです。アプリコットピューレの香りはとても繊細なため、香りをホップで調整する必要がありました。オレンジ果汁を用いたこのビールの特徴も活かすために、希少ホップであるマンダリナ・バーバリアを100%使用しています。

マンダリナ・バーバリアは比較的新しいホップで、オレンジの品種である「マンダリン」が名前の由来と言われています。このホップがオレンジ風味をアップさせ、爽やかな香りを引き出し、苦味成分が全体の味わいを引締めてくれます。

八木 アプリコット2

ー飲みたくなってきました。では最後になりますが、今回新人ブルワー応援セットを購入し、アプリコット&オレンジを飲んでくださる方に向けてメッセージをお願いいたします。

八木さん:今回、樽だけでの販売だったアプリコット&オレンジが瓶になりました。そういう経緯もあり、より多くの人にこのビールが飲んでもらえるようになったのでとても嬉しく思っています。
これを機会にアプリコット&オレンジを飲んで、クラフトビールに興味を持っていただき、少しでも元気になっていただけたら幸いです。

金しゃちビールのRookie、八木さんの紹介でした。樽販売だけだったものが瓶にもなってより多くの人に飲んでもらいやすくなったアプリコットオレンジは、ふたりのみで現在販売中の新人ブルワー応援セットにも封入されています。お求めの際はぜひお早めにご検討ください。

詳細は下記リンクにて!

https://note.com/futarinomi/n/n6ef623df1815

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