客先常駐エンジニア やりがいはあるが将来への不安は尽きない
自分はソフトウェア系エンジニアをやっている。
いわゆるSEという職業になるが、その中でも客先常駐エンジニアという部類にはいる
大学3年の時はリーマンショック直撃で就活は非常に厳しく、なかなか内定が取れない中あまり良く考えずに教授の薦めた会社を受けてそのまま就職した。
それが客先常駐エンジニア業務を行なっている今の会社だった。
客先常駐エンジニアとは
客先常駐エンジニアの特徴は以下のようなものになる。
・作業場所は自社ではなく、客先のオフィス
・作業指示は(グレーな部分はあるが)基本的に客先の社員から受ける
・働いた時間×単価が自社への売上になる。
まぁいわゆる「派遣社員」というやつ。
実際に自社には正社員として就職しており、ボーナスも昇給もあるので登録型派遣とは異なるが、現場での働き方は派遣社員そのもの
ちなみに自社と客先の会社間の契約が派遣契約の場合と請負契約の場合がある
また請負契約の場合も仕事を本社で行うものと、現場に入って行うものとがある。
後者は実質派遣契約のようなものだ。
様々な経験を積めるという側面は確かにある
入社直後、自分は自動車関連の現場に着いた。
今では一般的になっている先行車に追従するオートクルーズに関わるソフトウェアの業務だ。
次についたのが防衛関連のソフトウェア業務、これが現在も続いている。
これらは客先の会社も全く異なり、携わる業務の内容や仕事の進め方も全く違う。
自動車関連の現場での経験は今でも非常に役に立っているが、この経験が積めるのも、客先常駐エンジニアならではだとは思う。
ちなみに派遣には誰でもできる仕事しか回してもらえず、スキルアップにつながるような経験はできないという話をよく聞くが、少なくとも自分がこれまで経験した現場ではそのようなことはなかった。
(もちろん管理業務など、正社員しかできない仕事はある)
プロジェクトは非常に面白く、現場環境も良い
今自分が常駐している場所は、前述したように防衛関連のソフトウェア設計だ。
具体的なことは書けないが、プロジェクト自体が非常におもしろく、さらに現場環境が非常に良く働きやすい。
新たな仕事の場合はある程度勉強してから臨む必要があるが、その分スキルアップにつながる。
現場で働いた時間がそのまま売上となり、給料はそこからピンハネされた額となる
前述した内容ではあるが、現場ではソフトウェアを作ってエンドユーザに納入する。
しかし、ここでその報酬の何割かが自社に入るわけではない。
各現場で常駐する外部の社員(これを協力会社という)には、それぞれ単価が設定されている。
これはその現場にいた年数や年齢、スキルによって設定され更新されていく。
そして
働いた時間×単価
がそのまま自社への売上となる。
働いた時間なので、残業すればするほど自社への自分の売上は上がっていく
逆に有休を取ると、その分売り上げから引かれることになるので売り上げは下がる
残業代はそのまま満額出るケースが多いとは思う。
基本給が安い分残業代で賄おうと必要以上に残業してしまうという、悪しき風習を象徴するようなシステムになっている。
若手の売上からベテランの給料を捻出する逆転現象も
これはうちの会社固有の問題かも知れないが、
基本的にピンハネ商売ながらベテランになると現場での単価が昇級に追い付かず、働けば働くほどに売り上げがマイナスになる人も出てくる。
いわゆる給料泥棒というやつだ。
ではこのマイナスの補填をするのが誰かというと、それが若手社員になる。
若手は給料が安い
一方で客先での単価は最初からある程度の額があるケースが多い
なので若手からより多くピンハネし、ベテランのマイナスを補うというわけだ
だいぶ歪んでいる。
今はいいが将来は不安
自分は今30代前半
今は現場での仕事も楽しいし、スキル的にもそれなりにやれていると思う。
ただこれが20年後30年後だとどうだろうか。
今の現場にいられる保証はもちろんない。歳をとったあと全く異なる現場で0からということもあり得るし、
今の現場にいられたとしても、現場には若いエンジニアが次々入ってくる。そこで変わらずやって行けるだろうか
現場では管理職にはなれない、作業員のままだ。
自社での役職が管理職になってもこれは変わらない。むしろこれは名ばかり管理職というやつで、わずかに基本給が上がる代わりに残業代が出なくなるのだ。
定年ま作業員として、若手と一緒に新しいプロジェクトに関わり続けることができるだろうか
会社としても不安はある。
会社自身、何か固有の製品やノウハウ、特許などがないので会社としても競争力はない。このような不況が続けばどうなるか分からない。
転職するなら早い方がいい、と最近はいつも考える。
しかし決してブラックではないし、働きやすい。高望みしすぎかもしれないとも思う。
やはり将来への不安がこの業態では1番の悩みだろう。
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