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「ビジネス・ゲーム」を3ヶ月実践した話〈その2〉

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はじめに断っておきたいがこの書籍、1993年刊行なので時代にそぐわない点が多々。特に男女の役割・就労状況の差、資本主義経済における企業体の在り方が違う。但しここまで極端な表現だったからこそ衝撃的な学びになったのは否めない。今回は読んでから3ヶ月間の話。

0〜1ヶ月目 自分の変化

読了後に痛烈に感じたのは「私はゲームのルールを理解していなかった」こと。衝撃を受けたまますぐやったのは本に書かれている要点の書き出しで、これがもやもや対策に効いた一番の方法だった。実際は大量に書き出したが、かいつまんで言うと以下。

・ビジネスはゲームで、会社の目的は勝つこと
・会社はヒエラルキー
・キャリアとは仕事を続けること

さらに書き出した要点をグルーピングすると日々の小さな行動はアクションプランになり、より大きな概念は「何のためにやるのか」のゴールを定める必要性に駆られるのでKGI、KPIに当てはめられる算段。数冊それらしい本を読んで意味は分かるけど具体アクションに落とし込めなかったPDCAの回し方がやっと自分のものになった瞬間だった。

結論、もやもやの原因は「ゴールと戦略のミスマッチ」。それが言語化できず思考停止状態に陥っていたのである。これまでは夢見がちに将来やりたことを思い描いていたわけだが一企業内でそれを実現するには「ある程度裁量権を必要とする」。そこを無視して目的に向かう手段が結果的に「仕事の蓄積」一本になっていたのが頑張っても評価されないループになっていたのである。感謝され喜ぶ、仕事の結果が利益を生んでいることを育休中に喜ぶ。それではゴールに対して遠回りしていることに気付く術がなかったというわけ。PDCAを回そうと言われても定量的な成果のない業務に対して「頑張る」以外の解がなかった。
それがどうだろう、「やりたいこと」をゴールにし、要点を踏まえて整理するとゴールに対して必要なアクションはまるでスポーツやゲームのように見えてくる。

そして、特にバリキャリというわけでなく(出世したいとか肩書きが欲しいと考えたことがなかった)、でも仕事はある程度面白く感じるので改善機会がなかった私にとって「そんなこと考えもしなかった」目から鱗ポイントと特に意識して3ヶ月実践した内容が以下。

・評価されるためにライン部署に居ること
・評価されない仕事はしない、もしくは評価されるように仕向ける
・昇進したいと上司に意思表明する
注:ここでの「ライン」とは営業利益を生み出す比率の高いという意味で記載があった。

2ヶ月目 行動と上司の変化

本の要点を書き出したことで長期ゴールを設定できたことで逆算でいまやるべきこと、つまり何をすれば最も自分が評価されるのかを設定したチェックシートを作るに至った。案件ごとに◯×やスコアを付け改善していくことを心掛けた。私の場合おおよそ1週間に1案件が完了する頻度。これをやり始めた時のイメージは、改善すべき点が明確になることを期待していてそれはその通りではあったが、加えて「自分の強み」も可視化されたのは成果だった。
自分でももやもやを抜けた手応えと、チェックシートを作ったことを上司に報告。第一声は「抜け出したね!よかった!」。今思い返すと何も言わずに黙って聞き続けてくれていたのは自らその答えに辿り着くことを期待していたか、そのことに価値があると思っていたのだろう。そしてそれ以降、以前の1on1とは違い、長期キャリア形成についてのアドバイスを受けるようになった。

3ヶ月目 仕事と環境の変化

チェックシートにより仕事の質は明らかに上がった。案件ごとのスコアを100点満点とした場合、以前は平均50点だったのが平均90点、且つ毎回なぜ100点にならなかったかが明らかなので案件数が蓄積されることによって確実に平均点が上がっていくイメージである。そして「強み」の自覚は徐々に自信になり、ある日それをある人から指摘されたのである。「●●さんって濁さないよね、はっきり言い切るのが安心できる」。それから2週間後、その人から社内のプロジェクトリーダーに指名された。

結論 「もやもや」への対策

3ヶ月間の変化は以上。みんな出世を目指そうという話では全くなく「もやもや」という感情に対してゴールと戦い方を認識することがどれだけ効いたかという点が、同じような状況で悩む人に届いたらと思う。今までバリキャリでもなく、かといって仕事は楽しい。そして日々は仕事と育児で慌ただしく過ぎて行く。企業の中に居てポジションが上がらないことは相対的な下降を意味し、自分の価値を見出せない中で自信を少しずつ失っていたことが全ての悪循環だったのだろう。
きっと多くの方々はそんなことは当然の如くはじめから取り組んでいるのだろう。私はその機会がなく何となくここまで来てしまい、もし1人でもそんな人が他にいるならと思い稚拙ながら書いて見た。気付きを得る機会、タイミングは人それぞれ。なお私はこのことが現職以外の自分の可能性について考えるきっかけになり全く違うことに興味が湧いてきたので、その点でも良い機会だったと思う。




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