そう、これは毛の話。

夜、突如として目が痛くなった。

多分、まつ毛が目の中に入ったっぽい。
ゴロゴロゴロゴロ。
瞬きしても、目薬を点しても改善しない。
ゴロゴロゴロゴロ。

で、しばらくしたらおさまった。
というか、どっかいった。毛が。

たまにあるこの現象。
おさまって何よりなんだけど、
毛はどこにいったんだろう。

目の外に出た訳でもなく、
まぶたをひっくり返しても見当たらず、
顔面の中でおさまってしまう、小さなガサ入れ。

え、溶けてんの？

食虫植物が虫を溶かすみたいに。

あの短時間に？
いやいやいや。
謎。

毛といえば、何年も変わらず居続ける毛、いない？

抜けては生えてを繰り返すとして、
そん中でも、中心部の毛とか、
お前、ずっといない？って毛がいる気がする。

私、谷間ら辺に、ちょっとだけ毛が生えているんですけど、
何かを守るにしては、量が少ないし、
なんかダセぇなと思い、
抜いたり、剃ったりもしたけど、
しばらくしたら、また元に戻る。

「おざっす」みたいな顔でそこにいる。
なんか、剃ったりするのが気まずくなる。

そんなとこに生えないで、頭に生えてほしいと思いつつ、
時にそれを口に出してみても、生える続ける毛。

なので、最近はそのままにしてる。

ただ、抜いたり、剃ったりを回避しつつ、
何年もそこにあり続ける毛がいたとしたら。

友とケンカしたあの時も、
仲間と祝杯をあげた歓喜に満ちたあの時も、
悔し涙を流したあの夜も、
もう一度、進もうと決めたあの朝も、
そばにいてくれたのだとしたら。

もう、パートナーじゃん。

ホームズとワトソンじゃん。
山岡さんと栗田さんじゃん。
織姫と彦星じゃん。

愛おしい。

かけがえのない存在。
タモさんにおけるグラサンじゃん。

いつもそばにいてくれてありがとう。

目ん玉に入った毛がどこにいったとこ、もうどーでもよくなってきたわ。

これからも生え続けてね。
たまには頭にも生えてね。