蝉のいのち、人のいのち

もし私が蝉の雌だとして

地上に出た
1週間、1ヶ月の命の中

大きく鳴く、雄を見つけるのだろう

大きく鳴いて居場所を教えてくれた
その相手を

強い命を持つと直感した
その相手を

自らの命の先を托す相手として
選ぶのだろう

ただし、
その後もその雄は
命がある限り
他の雌にも見つけてもらうのだけれど

命を残すという使命を
組み込まれた遺伝子

それに比べて
命を残さなければならないという使命を
さほど感じない人間

種を残すだけでなく
自分の創造物を残す

それができる生き物である
不思議