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目の動きで別人になれる。

プライム・ビデオで『カルテット』『僕らは奇跡でできている』『凪のお暇』の3本のTVドラマを見た。

どれもよかった! なかでも『カルテット』は抜群だった。

夫が脱ぎ捨てた靴下を1年間そのままにしているバイオリン奏者の牧 まき(松たか子)。演奏前はからだが“みぞみぞ”するチェロ奏者のすずめ(満島ひかり)。音楽家一家で育ったものの、今はドーナツの会社に勤めるバイオリン奏者の別府 司(松田龍平)。唐揚げにレモンが付いていたら「レモン、ありますね」とだけ言ってほしいヴィオラ奏者の家森 諭高(高橋一生)。

この個性的な4人が、ひょんなことから軽井沢の別荘で一緒に暮らし、弦楽四重奏(カルテット)を組むというストーリー。

この設定だけでもおもしろいのがわかってもらえると思うけど、わたしが“みぞみぞ”したのは、4人の会話の内容と発する言葉のリズム感。

たとえば、こんな会話のシーンがある。

「牧さん、昨日カモが排水溝に落ちる動画をみて眠れなくなったそうなんです」と真顔の別府。「そのあとプレミアムゴール10連発をみたら」と、これまた真顔で牧が続けて、「どうしてスーパーボールを見なかったんですか?」と家森が会話をかぶせてくる。

えっ、カモが排水溝に落ちる動画ってどういうこと? そのあとゴール10連発って? さらにスーパーボールにつなげる? と、 こっちが思わずつっこみたくなるせりふのオンパレードなのだ。何となく普段言いそうな、いや、絶対に言わないよな、という、まるでエッシャーの騙し絵のような会話が最高にかっこいい。

で、この話しを友人に伝えたところ、「私もカルテット好き! だったらこの2つも見てみて」とすすめられたのが、あとの2つ『僕らは奇跡でできている』『凪のお暇』というわけ。

そして、ここからが今回の本題で、3つのドラマをみて、今、声に大にして言いたいことがある。

高橋一生ってすごーーーい!!!

というのも、この3つのドラマには、どれも高橋一生が出演していて、彼が演じる人物のキャラ感がすごく濃いのだ。同じ人間が演じているとは到底思えないほどの別人感。

あまりにもキャラのイメージが強いので、次のドラマに出ている高橋一生を見ると、あれっ家森さん(カルテットの役柄)、転職して大学の先生(僕らは奇跡でできているの役柄)になったっけ? と思うほど。

この別人感はどこからきているんだろう、と、あらためてドラマを見比べてみたら、ひとつわかったことがある。

それは目だった。高橋一生の目の動かし方が、それぞれのドラマで全く違っているのだ。

『カルテット』の家森さんは相手の目を見て話す。3人のなかではいちばん普通の目線。

『僕らは奇跡でできている』の相河先生は、好きなことをやっているときは大きく目を見開いてキラキラしているのだけど、苦手なことに接しているときは、どこか遠いところをじっと見ている。その目線の先には誰もいないことが多く、相河先生の独特のキャラ感がでている。

そして、『凪のお暇』の我聞慎二は、目つきの変わり方が早い。得意先との打ち合わせでにこにこ笑っていたかと思ったら、終わったとたんに笑っていない目に。凪をにらみつけたり、目をゆらゆらさせたりと、とにかく頻繁に変わる。

なるほど。目は口ほどに物を言う、というけど、本当なんだね。

映画『スパイの妻』ではどんな目なんだろう。近々見に行ってみようと思う。とても楽しみ。

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疲れたときと便秘のとき(整腸作用があるそうです)にぴったりのタマリンドジュース。タマリンドという酸っぱい実を熱湯で溶いたものに、蜂蜜を加えた甘酸っぱい味。マレーシアでもよく飲みます。

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