いまだ謎のレーシック後検査。
朝の散歩で会った犬友が「今日は陽射しがまぶしくて目が開けてられない」と、目をしょぼしょぼさせていた。
その言葉を聞いて、思い出した光景がある。
10年以上も前になるけど、マレーシアで視力回復のレーシック手術を受けたときのこと。
手術後数週間、あらゆる光が膨張したようなまぶしさで、とくに夜の人工的な灯りが見にくかった。車のハザードランプや信号の光がいつもの約2倍のサイズ、光も強い。涙目で見上げた新宿のネオンのように、いろんな色が重なり合って見えた。
さて、マレーシアでレーシックを受けたというと、たいてい「勇気があるねぇ、怖くなかった?」と聞かれる。わたしの場合、こんな感じだった。
手術当日、ドクターの最終検査をクリアし、目薬をさしてもらう。それから手術まで空き時間があったので、ご飯でも食べよう、と病院の近くのレストランへ。
メニューを開くと、あれ? ん? なんかおかしい。
文字が見にくいのだ。文体か? レストランの照明のせい? 気のせい? いや気のせいじゃない。あれこれ自問自答してようやく気付いた。さっき目薬の作用だ!
ネットで調べてみると、瞳孔を開く作用があったようで、焦点が合わなくなるのは想定内。
ドクターとの会話はずっと英語なので、きっとわたしが英語の説明を聞き取れなかったのだと思う。瞳孔はblack part in the center of the eyeやpupilというらしい。前者なら何とかわかるが、後者なら、お手上げ。ちなみに瞳孔を開くは dilate pupil だそうで、これもまた難しい。
余談になるけど、ネイティブのアメリカ人も最近は医療英語がわからない人が増えているそうだ。たとえば日本語の骨盤は英語でpelvisだが、今では hip bone と言い換えられているとか。
今、振り返ると、目にメスをいれる手術をよく英語のみでうけたな~と我ながら感心する。いや、日本語で丁寧に説明された方が、恐怖心はむしろ増すかもしれない。いずれにしろ、完璧に理解していなくても、物事はちゃんと進むのだ。世の中そんなものなのだ。
そして、0.1以下の重度の近眼が、たった数分の手術で両目1.2に回復。手術の翌朝、家の窓からみえるビルのひとつひとつがクリアで、広告までしっかり見えたのは本当に感動した。
というわけで大満足なレーシックなのだけど、
ひとつだけ、いまだ謎なことがある。
術後の定期チェックで病院を何度か訪れたときのこと。
視力がなんとなく落ちている感じがしたので「よく見えないかも…」と伝えると、ココを読んでみて、と病院のスタッフが視力表を指した。
それが、毎回、毎回、同じ場所なのだ。
視力1.2のラインで、左から3文字を順に読むようにいわれる。
おまけに、そのアルファベットというのが、病院の名前と同じ。
つまり、たとえばTBCという名前の病院で、アルファベットも左から「T」「B」「C」。これは覚えやす過ぎる!
こうなったらもうね、スタッフが指す前に「T」「B」「C」といってみたり。それでもって毎回ドクターが「見えてるわね!合格よ!」とお決まりのパターン。
そして「見えにくいのはきっと仕事が忙しいからよ。パソコンの見すぎは禁物よ💛」と笑顔でスタッフに諭され、「たしかにそうね、気を付けるね」と目の状態はともかく、心はたっぷり癒されて帰宅。とても楽しい検診だった。
あの文字列、故意だったのか、それとも偶然だったのか。
いまだに謎。
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マレーシアはバナナケーキをよく食べる。きっと、バナナは種類も数もわんさかあるので、材料にぴったりなのだと思う。とくに、熟れ過ぎてとろとろになったぐらいのバナナちゃんを使うのが、甘くておいしい。
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