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干し海老の肉餅、ヨッペンが好き。

だいぶん前の話しだが、世界のお弁当を紹介するテレビ番組「BENTO EXPO」で、香港の「肉餅 ヨッペン」が紹介されていた。

豚のひき肉を成形して蒸したもので、焼き色のないミートローフのような料理。マレーシアでもよく食べる。マレーシアは国民の約3割を中国系が占めていて、彼らが大好きな味なのだ。

おかずがずらっと店頭に並ぶ、お惣菜レストランの定番。「咸魚蒸肉餅 ハムユイチェンヨッペン Steamed Minced Pork with Salted Fish」とよばれている。

手前のトレー、四角い料理がヨッペン。

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三角版もある。

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ちなみに、レストランではこのように均等に切り分けられているが、「家で作るときは、適当なお皿に入れて蒸して、じぶんの好きな量をとりわけて食べます」と、マレーシア料理店「マレーアジアンクイジーン」店主のチャーさん。たとえば、大皿で蒸せば家族全員用に、小皿で蒸せば少人数用になるという。

さて、このヨッペン。調味料として、塩気のある食材を加えるのがポイント。番組では、からし菜の塩漬け(高菜に近い)、ネットで検索すると、スルメというレシピもあった。

先のチャーさんに教えてもらったマレーシア版は「咸魚 ハムユイ」。名前にも付いている、しょっぱい干し魚「咸魚 ハムユイ」が味の決め手になっている。

昨年『dancyu』の表紙を飾ったこちら。

まさにこれ。ただ、チャーさんは、ハムユイをあらかじめ手で細かく割いて、いったん油でカリッと揚げてから、ひき肉に練り込んでいた。

口に入れると、ハムユイの独特な香りがチーズのような、魚醤のような。肉と魚の濃いうま味と甘みがからみあい、あぁ至福……!

ということで、わたくし、家でもよく作ります。
といっても、ハムユイはなかなか買えないので、干し海老で代用している。

材料
・鶏ひき肉 100g
・干し海老 大さじ2~3
・片栗粉 少々
・しょうがの千切り お好み
・ごま油 ひとたらし
・しょうゆ お好み

作り方
・フライパンにごま油大さじ1を入れ、干し海老を表面がカリッとするまで炒める。これを油ごと鶏ひき肉に加え、片栗粉を入れてよく混ぜたら、好きな皿に移し、しょうがをのせて、ごま油をちょっと垂らして、蒸す。目安は5~8分ぐらい。竹串をさして透明な汁が出ればOK。
※味をみて塩気が足りない場合は、しょうゆをちょっと垂らすとおいしい。

できた。

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もちろん、ハムユイのような濃厚な香りはしないけど、海老の香ばしさや海に近い香りはかなりいい。

あと、豚のひき肉で作ってもOK。というより本来は、豚肉なんだけど、わたしは脂がさっぱりしている鶏肉のほうが好み。表面に浮かんでいる透明な肉汁も、ご飯にかけて1滴残さず召し上がれ。

あっ、そうそう、このヨッピン、マレーシアではとくに、この透明な肉汁がポイント。

もう1度、上にスクロールして、レストランの写真をみて欲しい。かなりつゆだくでしょ。さすがに肉汁だけではないと思うので、きっとスープをたしておつゆにしていると思う。

このつゆだく感。なぜこうなっているかというと、マレーシア人は米食で、ご飯に“汁もの”をかけて食べるのが好きだから。パラパラ食感のインディカ米に、おいしいつゆやスープをかければ、雑炊のようにサラサラ食べれてが最高。日本でいうなら、牛丼や親子丼がつゆだくな同じ。

蒸し料理って、しみじみおいしい。食材本来の味が楽しめて、そんでもって洗いものが簡単なのも好きです。

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横浜中華街の台湾食材店でハムユイが購入できる。1尾が大きくて3000円以上するらしいが、冷凍しておけばすこしずつ使えるし、こんど買ってみようかな。


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