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読書感想文 やめるな外科医

私は、年に一度、誕生日月には市の検診に行くことにしているのです。
自分で予約しているくせに、いざ来週検診だと思うとブルーな気分。
だって、怖がりでビビりな性格の私は、「検診」だけでもビビるのです。
もし、怖い結果がでたらどうしようって受ける前から心配するタイプなので「検診」が健康の良いのやら悪いのやらわかりません。
「検診」がストレスのくせに行かなければ行かないで、「検診」受けなかったから手遅れになってしまったらどうしようって気に病むので、行くしかないのです。
ああ、悲しい性格……
腸が長いせいか、なかなかバリウムが出てくれなくてパニックになったり、「要精検」の結果が来て卒倒しそうになったり、まあ、自分の気の小ささを思い知るシーズンなのです。

それでも、今まで大きな病気をすることなく生きてきたので、それは親や神様や仏様にただただ感謝するしかないわけです。

でもお医者さんって大変な仕事ですよねえ。そんな仕事をしながら小説を書くって超人だと思うのですが、医師で小説家って方結構多いですよね。
天は二物を与えるんだなあ。
今回読んだのは、そんな医師であり作家でもある中山祐次郎さんがご自身をモデルに書いておられる「泣くな研修医」シリーズです。
なんてったって医者の書く医療現場はリアルで、やっぱりビビります。

ネタバレ、あらすじありの読書感想文です。

あらすじ

研修医だった雨野隆治も、医者になって6年、30才になった。
牛ノ町病院で勤務し、外科医として経験を積んでいる。
上司佐藤、後輩凛子と共に仕事に追われている。

大腸がんによる腸閉塞で運ばれた二人の女性、上田と下澤。
性格も環境も違う二人の女性。
孤独で知らせる相手もいないという上田。家族がいても誰も病院に来ない下澤。一旦は退院した二人だが、しばらくして症状を悪化させて入院してきた……

星野の開腹手術を任された隆治。凛子に褒められ喜んでいたがミスをしていた。結紮が甘く、大量出血してしまったのだ。
隆治はしばらく手術からはずされてしまう……

隆治は立ち直ることができるのか?
恋人はるかとはどうなるのか?

若き外科医の日々は続く。

感想

「泣くな研修医」のシリーズ4巻目。ですが、私は3巻を読み逃しているようです。「走れ外科医」っていうのが「逃げるな新人外科医」との間にあるようです。
ちなみに、「逃げるな新人外科医」の感想はこちら

読書感想文 逃げるな新人外科医|おとぼけ男爵|note

「逃げるな新人外科医」は、懸命に頑張る隆治に結構ウルっとくるところが多かったのですが、今回は少し悟りをひらいたような感じ。
少し大人になったのかな? でも、大人になった隆治は何かを失ったような気もします。
人間だから変化していくことは当然だけれど、お母さんの前ではまだまだ子供な隆治。失ったものを取り戻すのか、別な変化を遂げていくのか?
隆治の成長や変化がこれからも描かれていくのでしょうね。

「癌」という病を抱えながら生きている人
自分が死ぬ事など想像もせずに生きている人
治せる病と治せない病に対峙していく医者
さまざまな人のさまざまな生き方がある。
意識するかしないかは関係なく、誰もに必ず訪れる「死」
どんな感情で、その「死」を受け入れるかは人其々ですよね。
この世を去っても、誰かの記憶の中に残ればその人の一部となって生き続けることになるのではないか?
それなら、死を恐れることなどないのではないか?
じゃあ、誰の記憶にも残らない人なら?
軽く読めるけれど、命について考えさせられる。
そんな物語です。

手術シーンが文章なのに生々しくて、怖がりの私は、ああ、絶対手術なんかするような病気にはなりたくなーい!!!と思ってしまいます。
それと共に、こんな仕事を毎日している外科医って本当に、ハードなお仕事だなあって思います。

失敗がゆるされない医者という仕事。
日々、緊張を強いられる仕事なのに、牛ノ町病院の先生方は皆さん良い方で、こんな病院が近くにあればいいのにって思っちゃいます。
でも、これは小説だからか……

リアルな世界では……
ああ、本当に健康がなによりも大切。
お医者さんのお世話にならない人生が送りたいものです。

#読書の秋2022 #やめるな外科医



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