源氏物語「鈴虫巻」を読む

 小説を読むとき、ある作者を読もうと決めた場合、そればかりを集めてしまう傾向があるが、「本屋大賞」の作品を読み進める人も多いと聞いた。たまにはそういう読み方をしてみたいものだが、なかな私には難しい。さて余談はこのあたりにして、今回は「鈴虫巻」である。

 先日、「中秋の名月」であった。福岡では雨が降り月を見ることはできなかった。ちょうどこのタイミングで「中秋十五夜の遊宴」の場面があったのでその中の一部を紹介したい。



十五夜の夕暮れに、仏の御前に宮おはして…

「秋の虫の声いづれとなき中に、松虫なんすぐれたるとて、中宮の、遥けき野辺を分けていとわざと尋ねとりつつ放たせたまへる、しるく鳴き伝ふるこそ少なかなれ。名には違ひて、命のほどはかなき虫にぞあるべき。心にまかせて、人聞かぬ奥山、遥けき野の松原に声惜しまぬも、いと隔て心ある虫になんありける。鈴虫は心やすく、いまめいたるこそらうたけれ。」など...



 「松虫」は「松」という長寿を意味する語を含みながらも、儚い命であるとを考える場面である。「中秋の名月」の日、月を見ることばかりに集中してしまい、残念な思いをしたが、今後は「見る」だけでなく「聴く」ことにも注意していきたい。



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 youtubeでジャズを流しながら作業をしてみたが、案外集中できるものだ。何かとスマホを触りたくなる現代っ子の悩みがあるので、バックグラウンド再生できない無料版youtubeのおかげで、同時作業を避けられている。ありがとう。

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