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カンボジアひとり旅3(遠方の遺跡ツアー)

2日目は、シェムリアップから車で1時間以上の遺跡を巡るツアーを、現地旅行会社のサイトで事前にネットで申し込んでいました。

このツアーで回った遺跡は以下の3箇所。
・ベンメリア
・コーケー
・プレア・ヴィヒア

トータルの車での移動時間は、ざっくり以下の通りです。
シェムリアップからベンメリア:約1時間
ベンメリアからコーケー:約1時間
コーケーからプレア・ヴィヒア:約2時間
プレア・ヴィヒアからシェムリアップ:約4時間半

朝6時にホテルのロビー集合。その後、他のツアー参加者(この日は私の他に年上の夫婦1組のみでした。)のホテルに寄りつつ、まずはベンメリアへ。

田舎道を走り、1時間とはいえ、あっという間に到着。朝の7時ごろ到着したので、観光客もまだ少なく、遺跡のお掃除(通路の箒がけ)をされている方々がところどころにいました。ベンメリアはアンコール・パスで入れます。

ベンメリアは、アンコールワット建造前のモデルとして作られたといわれている遺跡です。アンコールワットに行ってからこの遺跡に来ると、アンコールワットと同じような彫刻や柱があったりして、面白かったです。
この遺跡の有名なところは、全く修復がされていない発見当時の様子をそのまま見ることができ、崩れ落ちた石やそれを覆う苔の緑の綺麗さです。天空の城ラピュタのような世界だと言われることが多いですが、本当にモチーフとされたわけではないようです。
遺跡を覆う苔は、完全な乾季に入ってしまうと黄色くなってしまうようなので、雨季から雨季終わり後すぐの間に観に行くのがベストです。私の行った11月は乾季に入る月ですが、まだ雨季が終わったばかりで、まだまだ綺麗な緑の世界を見ることができました。

この瓦礫に覆われている姿こそ、ベンメリアという感じです。
通路をお掃除している現地の方。基本的にはこの舗装された木の通路を歩いて見学します。
唯一綺麗に残っている回廊の中も歩くことができます。
彫刻が苔に覆われている姿も美しかったです。

その後、ベンメリアからさらに車で約1時間かけてコーケー遺跡へ。
この遺跡はアンコール・パスは使えないので、コーケー遺跡のチケット(10USドル)を購入します。
アンコールワットがある地域が都だったことがほとんどであったカンボジアですが、一時期だけこのコーケー遺跡の地域が都だった時期がありました。その時代に、できたであろう建造物がこのコーケーの地域にはたくさん存在しています。

私がメインで見たいと思っていた場所の前に、まずプラサットプラムという遺跡を見学しました。現在でもこの祠堂の中で線香を焚いてお祈りしている地元の方もいるそうで、祠の中には燃え切った線香が置いてあったりしました。

プラサットプラム。ガジュマルの木に覆われている姿も神秘的です。
この建物たちの裏側を歩くと、遺跡の下を掘り起こしたであろう瓦礫がたくさんあり、
盗掘の被害の酷さがわかるので行く機会があればぜひ裏側も見て欲しいです。

その後に、プラサットトム寺院の「プラン」と呼ばれるピラミッド型の寺院遺跡へ。ここは私が今回カンボジアで一番見たいと思っていた遺跡です。
写真でたくさん見ていましたがやっぱり実物は圧倒されました。7段で構成されており、横に作られた階段で頂上へ登ることができます。頂上からは360度王様が見たであろう、カンボジアの樹海の景色を見ることができます。高所恐怖症の私でも実物を見れた感動で、アドレナリン爆発していたのかあまり怖くなく、階段も辛くなかったです(笑)遺跡のピラミッドに登れるという体験はなんともいえない嬉しさでした。

プラン。実物を下から見上げると本当に圧巻でした。

この遺跡の入り口あたりの食堂で、ツアーに含まれていたお弁当を食べてから出発です。約2時間かけて天空の遺跡と言われるプレア・ヴィヒアへ。

こちらも山の麓のチケット売り場で、独自のチケット(10USドル)を買い、山の上までは4WDの車の後ろの荷台(屋外です、笑)に乗って山の上へ。乗り合いで往復4WD車1台25USドルで、ツアー参加者3人で割って支払いました。山道はコンクリートで舗装されているとはいえ、口を開けたら強風で砂が入ってきます…なのにガイドさんは気にすることなく乗車中もひたすら説明のためにお話しされていました(笑)

4WDの荷台に取り付けられた椅子に座って、強風と戦いながら山を登ります。

山の上の駐車場で車を降りた後は、ひたすら遺跡の中の坂道や階段を上へ上へ登って歩いていきます。体力が必要とガイドブックには書いてありますが、たまに立ち止まって休憩がてら説明を聞きながら登っていたので、あまりつらくはありませんでした。

山頂までに見ることができる遺跡の一部です。

そして、ついに山頂です。そこからの景色は、カンボジアの壮大な風景を見渡すことができて言葉を失いました。乾季のための貯水池があったり、さっきまでいた山の麓が見えていたり、先ほどまでスコールが降っていた地域には虹が出ていてとても綺麗な景色でした。ぼーっと眺めてるだけでもなんだか神秘的な気持ちになりつつ、癒されました。

左には少し虹が。この景色を背に記念写真を撮ることができます。
柵はないので、断崖絶壁です。

プレア・ヴィヒアはタイとの国境にあり、ずっとタイ側とカンボジア側の両側から来ることができていました。ですが、2008年〜2011年末まで行われていたタイとカンボジア間の国境紛争で、最終的にプレア・ヴィヒアはカンボジアの遺跡となり、カンボジアの世界遺産として登録されています。ただ、タイの観光ガイドなどを見ると、タイの遺跡として今も紹介されていたりするのでなんともいえません。遺跡の中やその付近には国境紛争時に使用されていた防空壕や、銃弾のあとも残っています。こんな最近に紛争があったことも知らず、かなり驚きましたが、カンボジア人のガイドさんは「この戦いがあったからこそカンボジアの遺跡となったので、戦ってよかったです。」とおっしゃっていたのが印象に残っています。

プレア・ヴィヒアからシェムリアップまでは約4時間半かかって帰ってきました。ひたすら田舎道を走っていましたが、田舎の方では民家のすぐ横にまだ地雷が埋まっていたり、カンボジアの結婚式や葬式の風景をたまたま通り過ぎる際に見れてすごくいい経験になりました。

この日は、ツアーの現地ガイドさんからたくさんのお話を聞き、カンボジアの歴史をさらに知ることができたとても感慨深い1日でした。
タイとベトナムがまだまだカンボジアの領土を狙っていること、カンボジアの王様の現在の立場について、社会の貧富の差が激しいこと、コロナ禍があと1年続いてしまっていたらカンボジアはもっと悲惨な状況になっていたであろうこと、コロナ禍を経てまだまだ観光客の数が戻らず観光ガイドの方々も稼ぎが少なく日々借金を返すために必死なこと、など。
カンボジアのたくさんの歴史と社会情勢などを知ったり、カンボジアで接した人々のおかげでとても大好きな国になりました。

夜、シェムリアップに戻ってからの夜の街の散策やその他の細かなことは、改めて次回まとめたいと思います。

※詳細なことはあまり記載していないので、欲しい情報がありましたらコメント等いただければできる限りお答えします。

#わたしの旅行記

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