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【映画】PERFECT DAYS



巷で話題の、それ。


何も起こらない、でも何も起こらない日はなくて、
台詞も少ないし、スクリーンから流れてくるのはほとんどが誰しも聞いたことのあるだろう生活音。


なのに?だから?
泣けてきてしまうのは観ているうちに自分の中の無駄な物事が整理されていって
心穏やかに鎮まり、主人公の不変的な日々を反芻したからかもしれない。



内容云々の前に、

かねてより役所広司さんが出演されている作品はなんとなく気になってしまう。

熱心なファンとかではないけれど
彼の発するセリフや表情は画面を越えて、人の内面に刺さるものがあると思っていて


いつもは邦画をスクリーンで観ることはあまりしなかったのだけど
何だか妙に観たくて映画館に駆け込んでよかった、と本当に思う。






当たり前にくると疑わない毎日を愛せているか、

時代や流行りに左右されず好きなものをずっと変わらず大切にできているか、

自分と他者を比べることなく信念を貫いて生きているか、


これって案外難しい気がしている。
殊の外、都会にいると楽しい物事や欲をそそられるものがそれはそれは多い。


これだけ煌びやかな場所にいたら誰だって心は揺れ動くもので。
これは良し悪しの話ではない。


でもこの映画を観ているとなんだかそれを虚しく感じてしまう瞬間が多々あって

この映画の主人公のように生きていける人はいつの時代も強い。そして尊く美しい。

"こんなふうに生きていけたなら"

そう思わずにはいられなくて
眩暈がしそうなくらい、眩しかった。



カセットから流れる劇中曲も素晴らしい選曲。
どことなくセピア色がよぎる洋楽を
若者が「なんか良いなぁ、、」と思う気持ちも描写も素敵だった。

古本屋さんで読みながら買っては寝落ちのお供になる絶妙な文庫たちも。




いろいろな考察はあるけれど
私がこの映画で得た知見は

『PERFECT DAYS』
喜びや楽しいことだけじゃなくて哀しみや苦しみ、たまに怒りなどとうまく共生して糧にして
ささやかに、一生を懸命に全うするということ。



しんどくなったらまた観たい。
平山さんに学ぶことがありすぎる…!



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