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【デザインの現場】あの金箔はどう作られているのか

本日は、箔押し(金箔・銀箔)からエンボス等をされている印刷会社に見学に行かせて頂きました。

早く着き過ぎて、印刷会社の駐車場で邪魔にならないようにしながら本を読んでいたら、紳士なおじさま(という表現がぴったりな方)が「寒いんで中に入ってください」と言って案内してくださりました。その方が社長さんでした。物腰が柔らかくて腹を割って話している感じが伝わってくる大変かっこいい方でした。従業員の方々の話し方がきちっとされているのはこの社長さんの人徳だと思いました(いやほんとに)。帰りに「いつでもまた来てください」と見学のクリエイターの方々に声掛けをされていて、それも恰好よかったです。

で、箔などはインハウス時代にちょっと知識があったものの工場を見学したことはなかったですし、ご説明でも詳細までは理解し切れなかったですがとても刺激的な見学会でした。

後に動画が出てきますが、ぐるぐる回っている装置

ご説明頂いた社員さんも仰っていましたが、箔押しは箔押しでも職人さんの匙加減が非常に影響するものなんだそうです。だから高級品なんですね。

今回の見学でなんと浅はかに『箔にしたらいいじゃないですか』なんてクライアントに軽々しく話をしていた過去の自分のことを恥じました。「手間暇掛かっているんだなあ」と働いている方々の技術力や意志を感じられたことは大変貴重な財産になったと思います。よかったなあ。技術者はかっこいいですね。

版をつけて、真空にして光を当てます

この赤い版がどうなるか技術者さんの手さばきも素晴らしいです↓

あと、こちらは硝酸だったかな。こちらに版を入れるようですが、この回っている感じがいいですね。フィルム風の高級なカメラで撮ったものを暫く見ていたいと思いました。

【箔押し】
金型と印刷物の間に箔を敷き、金型を上から押し込みます。その際、約170度の高温の熱と圧力をかけることで、印刷物に箔が熱転写されていく加工方法が“箔押し印刷”です。 箔押しをすると、金型と印刷物の接地面のみにゴールドやシルバーなどの箔が転写され、メタリックな輝きを放ちます。

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【エンボス・デボス】
エンボスは、金属板、樹脂板、紙などに凹凸を付けて文字や絵柄などを浮き彫りにする加工。特に凸面を付ける加工をエンボス加工、凹面を付ける加工をデボス加工ということもある。

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その後、3Dにした箔押しの映像を拝見しました。かなりの技術の進化を感じました。会場では価格をお聞きして、場を少し鎮めてしまったかもしれず申し訳なかったです。

会場でふわっと考えていたことを言語化しますと、一度インハウス時代に上の営業の方に至急この紙でデザインした感じに合成して欲しい、と言われたことがありました。で、指示に従いその紙を写真に撮って合成してプリントしたらまったく違う色味の紙に見えるものが出来上がってしまいました。写真の自動補正や設定による色の変化とプリント設定によるインクの設定でそういった結果になったのです。わたしは指示を聞きながら『こりゃあ無理だな』と思っていましたが、そういったことは説明しても一般職の方等には理解されにくいです。

実物を携帯カメラで撮ったらいいよ、というときにも携帯のカメラの色味が影響してくることは必然です。しかも映す画面の液晶スクリーンの色味の設定もそれぞれ違います。また人個々での目の見え方も違います(それを言い出したらおわりかもしれませんが…)。とにかく、3D映像の制作者さんは大変だろうと思ってしまいました。Sakae Plus様の意図も理解できますし、制作者側の苦労もわかるのでなかなか気持ちが真面目モードになりました。

それでも、勿論見え方のニュアンスを伝える時や、どういった箔にするかという場合などに、光り方や色味が伝わる3D動画は大変な威力を発揮することは間違いなさそうでした。紙の質感まで表現できるところまできているのは驚きでした。

新しいことに挑戦する企業さまに出会えて刺激になりました。ありがとうございました。見学、楽しかったなあ。


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