10年ぶりにまともに本を読んだ話/自意識過剰のクソガキ
タイトル通り。本を買った。楽天マガジン(サブスク)以外の電子書籍は未だに受け入れられないので、紙媒体で。
こんなに"文章"というものが好きなのに、本を読もうとは思わなかった人生だった。漫画ですら、ここしばらくは避けていた。
現在メインで読むのはインターネットに転がっている文、毎月出るジャニーズ雑誌(おそらくこいつが一番文字数多い)、時々買う音楽雑誌、くらいだ。死。
そういえば数年前に富野由悠季が書いた機動戦士ガンダムの小説を買ったっけ。びっくりするほど読みづらくてリタイアした。
ちなみに私が逆説で「~~。が、~~。」という文体を用いるのは、この小説で「が、」がえげつないほど多用されていたからだ。正直「が、」の印象しか残ってない。
楽しく読めた本…?と思い返すと10年前くらいに読んだ米澤穂信の古典部シリーズだろうか。完全にアニメの影響だが、非常に満足感があった。えるたそ~
さて、じゃあお前は10年ぶりにどんな本を買ったんだ?
もう見えている。オードリー・若林正恭のエッセイ、「完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込」だ。
なぜこの本を選んだのか?それは帯に書いてある。ドラマ「だが、情熱はある」を見たから。(富野がタイトルを決めたら「が、情熱はある」になるんだろうか)
「だが、情熱はある」とは、King&Prince髙橋海人がオードリー・若林を、SixTONES森本慎太郎が南海キャンディーズ・山里を演じたドラマだ。
ジャニオタの私ですら「ジャニーズの中でもひと際目力がある二人が若林と山ちゃんを?!」とキャスト発表時は心配になった。が、それは杞憂だった。
ドラマの中での二人は若林と山ちゃんそのものだった。(未だに海人の声を聞くと若林かと思うし、慎太郎はドラマ外まで山里マインドに蝕まれていた)周りのキャストの力も相まって、ネタの再現度の高さが話題になっていただろう。
私はSixTONESのオタクなので、主題歌の「こっから」も大好きだ。今年一番好きな曲!!自担の歌い出し、「Hey,boy 平凡に Born in the ニッポン」サイコ~~~
うん。このままでは音楽ブログになってしまう。「こっから」が本題だ。
ドラマを見ていて、若林の発言の端々を聞いていると「あれ、若林って私なのでは…?」と思うことが度々あった。また、カフェでエッセイを書くシーンもあり、「私が書きたいのってこういう文章なんじゃないか…?」と前のめりになってしまった。
そう、noteを始めたきっかけの一つが"若林"なのである。
一発目の記事は若林"前"、今回の記事は若林"後"となる。文章そのものに影響を受けたかどうかは定かではないが、本の内容に移っていく。
スタバで「グランデ」と頼めない。「パスタ」と言うのも恥ずかしい。
こ~れこれ。このマインドな。
私もスタバなんてシャレたところに行けない。あの呪文のようなメニューを唱えるくらいならお冷をお願いするよ。(私がカフェインにクソ弱いという事実は置いておこう)
「パスタ」はまぁ言えるけど、「スパゲッティー」という言葉はいつから逃亡したんだ、と常々思っている。
なんか「イオン」もまだ「ジャスコ」って言いたいよな。それは違う?
私はこういう思考のことを"逆張り"だとか"拗らせ"と言ってきたけど、若林はこれを「自意識過剰」「中二病」と表していた。
なんか"逆張り"ってカッコつけてるかもな。要するに私って"自意識過剰のクソガキ"なんだ!
う~ん。そうだよね。自覚あるわ。プライドも高いしね。分かる。分かる。
そんな感じで若林の自意識過剰文に共感しながら楽しませてもらっていた。が、途中から違和感を覚え始める。
「あれ、若林、なんだか成長してないか…?」
「社会人一年生」の時点で若林は30歳。つまり読み進めるにつれて、私の年齢に近づいてくる。本一冊の間に若林の考えが変わっていき、私とのズレが生じているように感じる。
実際「三年も経つと随分考えも変わるもんだ。」、と自身のスタバグランデ拗らせにブチ切れていた。おいおい、私を置いていくな。私は現在進行形のクソガキなんだぞ。
本人曰く、全然成長していないし大人になっていない。そうかなあ。"慣れ"ってそんな短期間に人を変えるものなのか。
正直結構落ち込んだ。芸人の、面白いと評価されているエッセイを読んで、焦燥感に苛まれることがあるのか。
まあ、当たり前のことである。若林は私ではないし。
彼は芸能界という広い世界で戦い、私は同じ職場でほぼ変わらない数人のメンバーと長い間過ごしている。毎日数十人来る患者だって、初めましての人もいるけど駐車場に車が入ってきた時点で名前が思い浮かぶ人もいる。
激狭コミュニティで変わらない暮らしをし、別に変わろうと思ってもいない。
そう、焦燥感に襲われるわりには危機感がない。自意識過剰で困っているっちゃあ困っているが、身近な人も結構そんなもんなんだよな。
結局、「まあ~~いっか」で終わってしまう。
社会人大学人見知り学部、留年。
自意識過剰の話で終わってしまったので、他にこの本を読んで気になったことを列挙しておく。
・おばあちゃん
「だが、情熱はある」で特に好きだった登場人物は若林のおばあちゃんだ。ずっと若林のそばにいてユーモアのあるおばあちゃんが大好きだった。
しかし、本を読んだ限り"おばあちゃん"の配分はだいぶ増やされているように感じる。でも"若林の切り抜きの中に堂本光一の写真が混じっている"くだりは本当だったみたいだ。
おばあちゃん、オモロい。
・ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。
なかなかこの境地まで達することができない。没頭できる趣味はいろいろあれど、やはり別のネガティブなことを考えすぎてしまう。
ライブなんか顕著だ。無心に跳ねているターンと、一旦冷静になって周りのノリと自分を比べる自意識過剰ターン、明日の仕事のことを考えだすターン。
ギターの弾き語りしてる時が一番没頭してるかもね。
・男は自信がないと恋愛が出来ない
マジでこれ。根拠があろうがなかろうが自信のある奴が一番モテる。
・どいつもこいつも評論家ヅラ
これが一番困ってるかもしれない。評論家・プロデューサータイプのオタクよりほどほどに恋してる方が互いにとって良いに違いない。嫌なオタクですね。
・本当の人見知りこそ人前に出てくる
人見知りの目立ちたがりである私。分かる。自意識過剰と承認欲求。
この「暗闇に全力で投げつけたもの」というコラムが全ての答えを出している気がする。
ネガティブで考え過ぎな性格のまま楽しく生きられるようになる。変えるんじゃなくてコントロールできるようになる。
ということで、先ほどの"留年"という結論に行きついたわけだ。
・大丈夫だよ
これは感じ方が全く逆だったので次の記事で取り上げる予定です。
久しぶりの読書、楽しかった。次はもっとカタい本でも読んでみようかな。
そうそう、数日前に5回目のワクチンを打ってきた。どうせ少しくらいは熱が出るだろうし、連休だし、病院の近くのTSUTAYAで大量に漫画を借りてきた。
漫画をまとめ読みするのも久しぶりだった。漫画は元々好きだが、社会人になってからは「限られた時間を漫画に充てる余裕があるか?」という思考に陥っていた。ほぼ二次元オタクは卒業したようなものだ。
結果、元気に「ブルーピリオド」「女の園の星」16巻分を1日で読み切った。もっと読めたな。
副反応が出る一日だけは正々堂々休める気がして、人間らしい生活に整えられる感じがする。
漫画も面白いな。また社会人大学が始まることは忘れておこう。